「自浄作用高めて」
静岡市内の中学教諭が卒業アルバムに「厄介者」を意味する「黒い羊」という英語を寄せ書きし、同市教委から文書訓告処分を受けた問題で、教育関係者や保護者の間から“問題教員”への対応の在り方を問う声が高まっている。
教諭は現在、学級担任や生徒指導主事の職務を外され、研修に専念することになったが、研修内容について19日夜の保護者らへの説明会の席上、校長からは具体的な説明はなく、終了後、参加者の間で「先生はこれから何をやるのか」という“素朴な疑問”が話題に上った。
研修内容について、静岡市教委は定期的なリポート提出などを予定し、「本人が変わるまでやる。市の教育センターで実施している生徒理解のための研修に参加させたり、養護老人ホームでの職場体験などを検討している」と説明する。
この教諭について、市教委は以前から「子供に寄り添った指導ができていない」との認識を持っていた。
説明会でも参加者からは「(この教諭から)生徒が体罰を受けた」との報告があり、元同僚も「暴言で精神的苦痛を受けた生徒は多く、周囲の教員にも威圧的だった。同僚も怖くて本人に指摘できない雰囲気があった」と証言する。
平成14年度から県教委が始めた「指導力不足教員」の認定と再教育制度では、これまで14人を認定したが、「氷山の一角」とみる教員は多い。再教育は担当の指導主事がマンツーマンで付き「金と人と時間を十分かけている」(県教委)というだけに、受け入れにも限界がある。
市内の中学教諭は「教員は他職種に配置転換ができず、1度土俵に上がったら不適格であっても下ろすことができない。子供への影響力が大きい仕事だけに問題は重大」と指摘する。学級担任を外したり、短期の異動で子供へのマイナス影響を最小限に食い止めているのが現状という。入り口となる採用試験について、中部の小学校長は「適性がない人間をすべて排除することは無理」と言い切る。
市内の小学校教諭は「教員の質は人間性にかかわる部分が非常に大きい。研修で根本部分が変わるか疑問」と実感を込め、「今回の出来事は、同僚の見て見ぬふりや管理職の腰が引けた対応の積み重ねが、いかに子供を傷つけるかを示した。県内の現場が自浄作用を高めるきっかけにしてほしい」と訴えている。