静岡新聞購読のご案内
出版物のご案内
2009/01/07 11:15更新
●サイトマップ ●検索
ログアウト

社会
スポーツ
経済
政治
国際
動画ニュース
47news
47club
社会
政治・経済
文化・芸術
スポーツ
地域ニュース
浜松・西部
中部
東部
動画ニュース
※ プレイヤ-をお持ちでない方は、ここからダウンロ-ドして下さい。
Windows Media 225k
西部
晴れのち曇り
中部
晴れのち曇り
東部
晴れのち曇り

伊豆
晴れのち曇り
東京株式4日終値
<225種>13293円22銭
東京外国為替市場4日
17時現在
102円30銭-33銭
【寄稿・わが至福の時】ヒマラヤ・トレッキング(上)【環境・自然】アマゾンの自然「繁栄」の犠牲に ブラ ・・・[記事全文]
  県内大学をナビゲート。業績、人物、話題などを紹介
 ホーム > 特集 > やっぱり先生…県内教育現場から > やっぱり先生
やっぱり先生

【教育のひろば】指導者の使命追求 浜松の予備校社長・倉橋義郎さん

2005/07/04

芥田学園の高校普通課特進の1年に英文法を教える

倉橋塾長=浜松市向宿

 「分からないのは教える側の責任」
 6月中旬、浜松市向宿の芥田学園(丸尾雅史校長)の一教室で大声が響いた。市内の私立高校関係者が「強烈なプロ意識と情熱、カリスマ的な人物」と評するクラ・ゼミ塾長の倉橋義郎社長(56)が英文法の授業で、普通科特進・高一の生徒たちに熱弁を振るっていた。
 「もっと暴れないとダメだ。ペンを天井に投げていいから抗議しろ。授業の流れを止めろ。以前『分からんから、授業料を返せ!』と猛烈に怒った女子もいたぞ。分からない時は『分からん』と暴れろ。そういう精神を身に付けろ」―。
 「ここ分かるか?」「はい、質問」「どんどん質問」「青島」「野田」「小林」―。倉橋塾長は、1つの文型の説明を終えると、機銃掃射のように矢継ぎ早に、次から次へと質問を浴びせる。うまく答えることができず涙ぐむ女子も。
 ある男子生徒は「常に集中が求められるから厳しいし、生徒の質問にすらすらと答えてくれる授業とは違う。質問者が回答者になれるよう、全員が理解できるようになるまで教える。教え方は正しいと思う」と話す。
 単位取得ができる授業を予備校から派遣された教師が担当するという、全国的にも珍しいとされる提携で、次々と実績を挙げてきたクラ・ゼミ。芥田学園は今年から倉橋塾長が週2時間、担当することになった。
 来年は塾長が15時間程度、週30時間をクラ・ゼミ関係者が担当する予定で、これは芥田学園の進学校への本格参入を意味する。丸尾校長は「教育の質を向上させて選ばれる私立になる。後発ですが、それだけにより洗練された進学のプロフェッショナル、倉橋塾長らのノウハウを生かせる」と期待する。


 何時間でもキャッチボール
 クラ・ゼミ教育研究所研修部室長で、倉橋塾長とともに芥田学園で英語を教える鈴木秀和課長(36)はクラ・ゼミ出身者。大手電機メーカーに決まっていた就職先を変えたのは倉橋塾長の「授業と同じ情熱あふれる説得」だった。
 鈴木課長は、浜松南高時代、サッカーに熱中した。3年秋から受験勉強に取り組んだが、失敗。クラ・ゼミで送った浪人生活の1年間で「自分が変わった」と振り返る。
 それまでは分からないところがあるのが授業だと考えていた。後で理解しようとしてもだめだった。「どこを理解できていないか分からないから質問ができない。失敗体験の積み重ねでした」
 倉橋塾長の授業は違った。「生徒が分からないのは教えている側の責任という姿勢。分かるまで時間なんか関係なく、とことん付き合ってくれた」
 分からなかったことが分かるようになった成功体験が積み重なる。勉強が面白くて面白くて仕方がなかった。「1年間、自宅で寝る以外はクラ・ゼミで生活し、勉強した。不思議な空間でした」
 当初、模試での英語の偏差値は30台だったが、秋には70を突破、全国模試で10番台にランクされ、翌年、中大商学部に合格した。鈴木課長は倉橋塾長を、教える側と教えられる側のキャッチボールが常にあり、生徒のやる気を引き出すプロだととらえている。

 

 自宅開放し年越し特訓
 倉橋塾長は自分の教える生徒に自宅を開放し、授業料を取らずに特訓する。有名なのは高1、高2を対象にした「英単語覚え大会」だ。塾長が定めた大学入試に不可欠な英単語を習得していない生徒が夏と冬に“特別招集”される。毎回、30人前後に上る。
 冬は12月25日―1月3日。塾長も午前8時から午後10時まで生徒と向き合う。大みそかも元日も関係なく続く。「100個単語を覚えたら試験を受ける」というルール。合格者は翌日から通塾を免除される。
 生徒は必死。合格者が出るごとに、居残り者は1人減り、2人と減っていく。「かわいそうだけれども、残される屈辱をバネにしてでも、何としてでも単語を覚えてほしい」と倉橋塾長は話す。
 損得抜きで生徒を徹底的に鍛えるのは「必要な時期に必要なことをやっておかないと入試には対応できない。成績を上げるために塾に通う生徒に応える塾経営者の職業倫理」と説明する。
 さらに続ける。「学校の先生は生徒に教えたことがどれぐらい身に付いたのか、常に考えているのだろうか。私生活と学校生活を分けて考えている先生も多い」「そういう人ほど結果だけを欲しがる」
 生徒のやる気を引き出し、成績を上げるのは簡単ではない。「中にはわれわれの指導をきっぱりと否定する生徒もいる。そういう時はまだプロになれないなと…」と倉橋塾長。教えることの難しさを常にかみしめている。

 

 クラ・ゼミ 昭和50年浜松市海老塚の倉橋社長の自宅で開校。現在は静岡、愛知両県に48校を展開する小中高一貫教育の総合予備校。平成8年に浜松学芸高(一昨年に提携解消)、同12年に聖隷クリストファー高と提携。各校特進コースの主要授業の一部を倉橋社長らクラ・ゼミ講師陣が担当。浜松学芸高では提携3年目に現役の京大合格者、4年目に東大合格者を生んだ。校舎内にクラ・ゼミの塾がある聖隷クリストファー高は今年、同校初の名大、国立大医学部合格者を出した。


元浜松市長栗原勝さんに聞く

各界に人材輩出した「斉藤塾」 「『学問とは』そのものを学ぶ」

 浜松市にかつて「斉藤塾」と呼ばれる私塾があった。大正6年、故斉藤謙三氏は理想の教育を求めて、弱冠26歳で自宅に中高生を集めて開塾。授業は学問だけに終わることなく、しつけや礼儀作法まで及んだ。塾生の間からは“オヤジ”と慕われ、92歳まで教べんを執り続けた。
 斉藤氏の逝去と閉塾から20年余。3000人の卒業生は国内外の学術、経済、政界など多方面で活躍している。卒業生の1人で元浜松市長の栗原勝氏(80)に塾の思い出を聞いた。
 「これが私の宝物です。今でもお世話になることがあるのですよ」。栗原氏は書斎の戸棚から70年近く使い込んだポケット版英英辞典を取り出した。裏表紙には花文字で縁取られた斉藤氏のサイン。「青春そのものであり、人生の大きな方向付けをしてもらった場所」と斉藤塾での4年間を振り返った。
 塾は男子ばかり30人のクラスで英語と数学を毎日学んだ。授業では常に一学年上の教科書を用い、高校生は大学の教科書を使ったが、決してエリートのための塾ではなかった。斉藤氏の授業はひとたび脱線すると、英単語1つからシェークスピアや哲学、歴史、生物学へと大きく飛躍した。
 「いろいろな物事の根本までさかのぼって読書したり、調べることの面白さ、学問するという態度そのものを学んだ。ただの学習塾、受験予備校ではなかった」
 大学で建築学を学んだ栗原氏は「住まいとは何か。家族や環境、法律、経済と多方面から思考する習慣が既に身に付いていた」と回想し、市長職の間にも多様な市民の要請を組み立てて政策を立案する構想力の根本は塾で培われたという。
 塾では掃除は生徒の仕事で、斉藤氏は作法1つ1つを厳しく指導した。授業中にはチョークや黒板消しが飛び交い、宿題を忘れたり、問題に答えられなかったりした生徒には特製の大しゃもじでたたいたり、腕をつねることもしばしばあった。
 それでも「先生の厳しさは優しさに支えられていて、しかられることはあっても、そこから生徒を奮い立たせようとする不思議な力があった」と栗原氏。
 「斉藤先生は1人1人の才能を見いだして、伸ばそうとしていた。すべての指導の根本に“愛情”があった」。栗原氏は学力による序列化や受験対策一辺倒の塾に疑問を投げ掛ける。

 

 

先行して一貫教育を進める第二日野小と日野中では、小中の枠を超えた合同活動が数多く行われている=東京都品川区

全国の特区 東京都品川区
教諭の意識共有も狙い 小中一貫教育を全区展開へ
 JR山手線大崎駅から徒歩で約10分の東京都品川区東五反田。高層マンションや古くからの住宅が軒を連ねる一角に、新たな学校の建設が急ピッチで進んでいる。区立の第2日野小と日野中が一体となり、小学1年から中学3年までの児童・生徒の学舎となる大崎地区小中一貫校(仮称)。来年春に開校する。
 一昨年8月、同区は「小中一貫特区」に認定され、弾力的な教育課程(カリキュラム)の運用が可能になった。現在の区内の学校数は小学校40、中学校18。今後、大崎地区のような施設一体型の一貫校を、小学校の学校選択制の枠組みとなる区内4地区ごとに各1校ずつ整備。さらに、一体型以外のすべての公立小中学校でも連携の組み合わせを決め、一貫校と同じ教育課程を取り入れる方針だ。
 “品川版”とも言える新しい教育課程は、小中の垣根を取り払って9年連続で子供たちを育てることが大きな柱で、これまでの6・3年から4・3・2年のまとまりを重視する。1―4年での基礎の徹底、5年からの教科担任制、9年間の英語指導、道徳と特別活動、総合学習の一部を併せた市民科の新設…。現行の学習指導要領をベースにしながらも、特徴ある独自の内容を数多く盛り込み、来年度から21年度にかけて段階的に移行する。
 最初の一貫校となる第2日野小と日野中は、14年度から文部科学省の研究開発指定を受けて小中一貫教育に乗り出し、実践内容は今回の教育課程作成にも反映された。ただ、互いの現場教諭が共に指導計画を練る中で、「小中の考え方の違いが浮き彫りになる場面も多かった」と、菅谷正美第2日野小校長は明かす。
 同区の若月秀夫教育長は、「この小中の教諭間の意識の差を埋めることが、一貫教育の狙いでもある」と説明。「成長観や教育観をめぐる考え方の違いが厳然と存在し、このはざまで子供が苦しんでいる。以前とは変わってきている子供の成長ペースに、大人の側から制度を合わせたい」と強調する。
 区内では、幼稚園から小学校の段階で5%、小学校から中学校の段階で25%が私立校に進学するのが現状で、「新しい公教育の在り方を示し、選ばれる学校づくりの努力をしなければならない時期に来ている」と若月教育長。「多くの区民が一貫教育に期待を持っている手応えはある。来年度からの本格スタート後は、目に見える成果をしっかり出したい」と力を込めた。

バックナンバー
著作権について プライバシーポリシー リンクポリシー携帯サイトについてバナー広告についてRSSについて
静岡新聞社・静岡放送オフィシャルサイトに関するお問い合わせ、ご意見などは、 webmaster@shizuokaonline.com まで。
All rights reserved by The Shizuoka Shimbun and Shizuoka Broadcasting System.
shizuokaonline.com に掲載の記事・写真および図版の無断転載を禁じます。