派手さはないが日本の最終ラインで田中誠(30)=磐田=が果たす役割は大きい。ミスが少なく、マークへの責任感は非常に強い。粘り強い職人かたぎのDFは「年齢的にも最後だし、小さいころから夢だった大会。ピッチの上で活躍したい」と、ワールドカップ(W杯)に思いをはせる。 清水商高時代はGK川口と同級生で、1996年アトランタ五輪ではブラジルを撃破。ともに「マイアミの奇跡」に貢献した。だが、その後に川口が日本代表でキャリアを積んでいったのと対照的に、田中は度重なる故障もあって伸び悩んだ。「代表は多分もうないな、と思っていた」。日の丸を付ける夢はあきらめかけていた。 加茂監督時代にも、トルシエ監督時代にも代表に呼ばれることはあった。ジーコ監督就任直後も代表メンバーに名を連ねる。しかし、出場機会は巡ってこなかった。 田中に大きな転機が訪れたのは2004年4月。宮本、中沢が負傷で代表を辞退し東欧遠征に追加招集されたこと。 ようやく28歳で念願の代表デビューを果たした。しかもハンガリーとチェコの強豪相手に高いパフォーマンスを披露し、ジーコ監督の信頼を勝ち取る。「あのラストチャンスを逃したら、本当に終わりだと思った。何としても自分のプレーを出そうと、東欧に向かった」と振り返る。 チームはドイツ入りし、いよいよ最後のレギュラー争いが始まる。「できることを精いっぱいやるだけ。自分のためにも、呼んでくれた監督のためにも、日本のためにも頑張りたい」。闘志を胸に秘め、夢のW杯に備える。 (共同) |