敗戦が許されない1戦に守護神・川口能活(磐田)が真価を発揮した。日焼けし精かんさを増した顔、鋭い眼光。「男だから。意地とプライドを見せたい」。前半22分、PKのピンチにも左に跳び、左手1本でセーブ。炎のGKが剣が峰の日本を救った。
代表Aマッチの出場は91試合となった。三浦知良(横浜C)と並ぶ歴代2位タイだ。しかし、輝かしい記録も無関係とばかり「目の前の試合だけを考えていく。せっかくW杯にきているんだ。勝つ喜びを味わいたい」と集中力を高めた。
豪州戦では、好セーブを連発したものの、終盤に守備陣が耐えきれずに3失点を喫した。「絶対に点を与えない。強い気持ちで」。自らに言い聞かせるように口にした言葉には、決定的場面でもゴールを許さない決意が込められていた。
1敗同士で迎えたフランス大会の再現。8年前は左手に触りながら、決勝ゴールを阻止できなかった。「雪辱の気持ちも強いが、それより絶対に勝ちたい」
結果は0―0の引き分けだが、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。「ここまで追い込まれたら失うものはない。決してあきらめてはいけない。チャンスがある限り全力を尽くす」。ブラジル戦にすべてをかける構えだ。(ニュルンベルク=望月章弘)