「絶対に勝つしかない」。闘争心をむき出しにしたエースのFW高原直泰(ハンブルガーSV、清水東高出)がゴールに向かった。
ホームグラウンドでもあるドイツのピッチ。不完全燃焼のまま終わるわけにはいかない。「イメージはつかめている。相手は横の動きが弱いようだ。ボールを動かし、攻めていけばいい」。クロアチア戦でどうゴールを奪うかのシナリオを頭にたたき込み、大1番に臨んだ。
病魔で出場できなかった4年前の悪夢を乗り越え、手にしたW杯。平坦ではなかった道も「4年前は関係ない。今が大事」と目の前の相手を撃破することだけに集中する。「出るだけではなく、勝たなければ」と大会前に語っていた言葉を実行するためだ。
「がけっぷち」と表現した状況だが、まったく気後れはしていない。ユース年代から「世界」と戦い、苦難をはね返してきたストライカーは、「相手も同状況。絶対負けないというメンタルが必要になる」。これまで積み重ねてきた経験が、力強い言葉となった。
(ニュルンベルク=望月章弘)