明治神宮野球大会第3日は13日、神宮球場で高校、大学の部の準決勝を行い、大学は全日本選手権覇者の早大(東京六大学)と東洋大(東都)、高校は横浜(関東)と常葉菊川(東海)が決勝に進んだ。横浜は10年ぶり2度目、常葉菊川は初の決勝進出となった。今春の選抜大会覇者の常葉菊川は明徳義塾(四国)を6―5で破った。県勢の決勝進出は昭和50年に準優勝した自動車工(現静岡北)以来、32年ぶり。来春センバツの「神宮大会枠」も獲得。東海地区からの出場枠は1つ増えた。
▽高校準決勝
明徳義塾(四国)110002010―5
常葉菊川(東海)20040000×―6
▽本塁打 中川、酒井(常)
▽3塁打 石橋(明)上嶋、丹治(常)
▽2塁打 梅木2、大崎(明)町田、樋口(常)
▽暴投 萩原3(常)
▽試合時間 2時間7分
【評】常葉菊川は序盤の集中打で勝ち越し、粘る明徳義塾を振り切った。
1点を先制された常葉菊川は初回、中川と酒井の2本のソロ本塁打で逆転した。同点で迎えた4回には、先頭の伊藤が四球で出塁すると、続く上嶋が左越え3塁打を放って勝ち越し、中継が乱れる間に、上嶋も生還した。さらに栩木、町田の適時打で2点を加えた。
常葉菊川の先発萩原は先制点を許したが、ゲーム中盤を締め、11安打で5点を失いながらも、最後まで投げきった。
連日の2けた安打 1年生萩原を援護
甲子園の常連・明徳義塾(四国)を相手にも打ち負けない強さを見せつけた。常葉菊川が2本の本塁打を含む連日の2けた安打の猛攻で、先発した1年生右腕萩原を強力に援護した。
萩原が初回に先制点を与えた直後だった。先頭の中川が甘く入った直球を振り抜くと、打球は右中間席に突き刺さった。「相手の流れを止めたかった。とにかくフルスイングして塁に出ようと思った」と中川。触発されたかのように、4番酒井にも左中間に飛び込む一発が飛び出した。
不安定だった立ち上がりを最少失点で切り抜けると、1年生右腕は徐々に調子をつかんでいった。「真っすぐが良かったので、コーナーを突いていけば打たれないと思った」。毎回のように走者を得点圏に背負いながらも落ち着いた投球で、ビッグイニングをつくらせなかった。
6回の攻撃中に栩木が倒れるアクシデントがあっても、動じることはなかった。「これで負けたら申し訳ない。絶対に抑えよう」。萩原は途中出場した捕手石川の「思い切って腕を振れ」という強気のリードにも助けられ、最終回をこの試合初めての3者凡退で締めくくり、高校初完投を飾った。
正捕手の退場で、ベンチのムードが沈みかけたことは否定できない。「相手投手も良かったし、ちょっと点が取れる雰囲気ではなかった」と森下監督。5回以降、右横手投手の攻略に苦しみ追加点を奪えなかったことを反省点に挙げた。中川も「後半は受け身になってしまった。あすは最後まで攻めていきたい」と“望み通り”となった横浜(関東)との決勝に向け、士気を高めた。
栩木、けいれんで搬送
○…常葉菊川の捕手・栩木が6回の攻撃中、次打者席で突然けいれんを起こして倒れ、都内の病院に搬送された。救急隊によると、一時意識を失い倒れたときの記憶はなかったというが、すぐに意識を取り戻した。命に別条はない。
搬送された病院によると、頭部や血液に異常は見つからなかった。栩木はその日のうちにチームの宿舎に戻った。決勝は大事を取って欠場し、14日午前に浜松市内の自宅に戻り、精密検査を受けるという。