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'09春へ視界ひらく

(上)動いた歯車 長きにわたった道のり

2005/07/06

 建設予定地の決定から18年。1・8%の用地取得の難航で遅れを重ねた静岡空港の建設は、5日の国土交通省による土地収用事業認定で、止まっていた重い歯車がようやく動き出す。ほぼ確実となった平成21年(2009年)春の開港。就航路線の誘致や民営化、周辺を含めた振興策など、県政最大のプロジェクトはイメージを具体化させながら実現へと向かう。
 県議会6月定例会が閉会した5日。最終本会議後に与党会派をあいさつ回りした石川嘉延知事は「おめでとう」「よかったね」と多くのねぎらいの言葉を受け、終始笑みを絶やさなかった。
 事業認定告示を受けた午後の臨時会見では対照的に笑顔が少なかった。「反対の4世帯の方々の気持ちも分からないではないが、父祖伝来の土地を明け渡してくださり、早期完成を熱望している圧倒的多数の元地権者の気持ちをくむと、収用申請はやむを得なかった」。冷静に、淡々と、長きにわたった道のりと事業認定への所感を語った。
 その元地権者たちの思いは複雑だ。大関住男・榛原町連合地権者会会長は「苦渋の決断で土地を提供しただけに、認定は『やれやれ、ようやく』という気持ち。県は空港をしっかり造り、地域振興策も着実に実行してもらいたい」と注文するとともに、「反対地権者も元は一緒の仲間。地域が混乱しないよう、反対地権者と何らかの話し合いの可能性を模索したい」と期待をつなぐ。石川知事も「収用には約11億円の経費もかかる。円満解決への最大限の努力を今後も続ける」と強調する。
 空港事業推進の立場の関係者には安堵(あんど)感が広がった。自民党県連の前沢侑幹事長は「知事選告示前の認定を望んでいたので、皆ほっとしている。長くかかったが、丁寧すぎるほど丁寧に知事や県はやってきた」と語る。
 公明党県議団の阿部時久代表も「予定地のほとんどが民有地という難しい条件の中、我慢してここまで来た。強引を避け、知事は良心的に進めてきたと思う」と評価する。連合静岡の石井水穂会長は「長くかかったことは残念。経済の評価は長期の中で上下するので、事業への見方も時期によって分かれる。無駄な議論が相当あったと感じるが、早期開港につなげてほしい」と述べた。

(静岡空港取材班)


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