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混迷の賀茂合併 松崎町「否決」の波紋

(下)迫る“タイムリミット”

2008/03/07
 「申し訳ない」―。松崎町議会が賀茂地区1市3町の合併協議会設置案を否決した翌日の2月28日。下田市役所に集まった下田、河津、南伊豆の首長を前に、深沢進松崎町長は沈痛な面持ちで謝罪を口にした。今回の合併構想は、賀茂地区の核となる市を目指した“最後のチャンス”。「松崎抜きの合併は考えられない」。合併協設置案の可決にこぎつけた他市町の首長は口をそろえ、深沢町長へ3月中の議案再提出を要望した。
 今回、松崎町以外の議会で可決した合併協設置案の規約は「4月1日付」。そのため、同町議会が3月中に可決しない場合、他市町の議決は効力を失う。深沢町長は「合併に向け、可能性を検討したい」との姿勢を示しているが、反対が賛成を上回る現在の町議会の状況では、議案の再提出すら難しい。
 そんな中、同町で1市3町の合併協設置を求める署名活動が始まった。地域ごとに一部の区長が各家庭を回り、「合併協議だけでも始めるべき」との意見に賛同する町民を募っている。一方で「区長に頼まれれば、断れない人もいるはず。その署名が民意の証明か」と反発する声もあり、対立が深まっている。
 合併自体の必要性については、大半の町議、町民が理解を示している。合併せずに単独の道を選んだ場合、平成25年に町の基金残高はゼロ(町試算)。同町を含む賀茂地区全域でも、人口減や少子高齢化など、あらゆる数値の予測が単独での生き残りを否定している。今後、予想されるさらなる大合併に向け、いかに効果的で将来性のあるステップをするか。議会のかじ取りは、重要性を増すばかりだ。
 1市3町の人口は約5万3000人。大都市にはほど遠いが、賀茂地区で現在まとまりうる最大規模の合併だろう。数年後に基金が底をつく松崎町が、「当面は単独」と宣言した西伊豆町との合併を望むべきか。それとも今、伊豆南部に核となる市をつくるのか。判断の“タイムリミット”は近づいている。

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合併協設置を求め、集まった署名を整理する区長=松崎町



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