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混迷の賀茂合併 松崎町「否決」の波紋

(上)西豆への“未練”予想外

2008/03/06
 議論のテーブルとなる合併協議会の設置もかなわず、スタートでいきなりつまずいた賀茂地区1市3町(下田市、河津、南伊豆、松崎町)の合併問題。財政難、少子高齢化、医療過疎など課題が山積し、合併の必要に迫られている現実はどの市町も変わらないのに、足並みがそろわない。松崎町議会が合併協議を拒否した背景は。1市3町の将来はどこへ向かうのか。地域の生き残りを懸けた賀茂地区の合併の行方を考える。
 「意見が割れていたのは知っていたが、何とか(賛成多数で)うまくいくと思っていた」。先月27日、松崎町議会の臨時会で合併協設置議案が否決された直後。町長室に戻った深沢進町長は、想定外の展開にぼう然と口を開いた。事前の予想は賛成5、反対4。情勢は一転して否決となり、深沢町長が「施策の骨組み」に掲げた1市3町合併に、早くも“黄色信号”がともった。
 反対議員の大半が主張するのが隣の西伊豆町を含む合併。消防や教育などさまざまな分野を共有し、地域性のつながりは強い。ただ、両町には4年前の西豆3町村(松崎、西伊豆町、賀茂村)合併で破たんした歴史もあり、「なぜ、西伊豆なのか」と反対議員の声に首をかしげる人は多い。
 西豆合併崩壊のきっかけを作ったのは松崎町だった。議論終盤になって実施を決めた住民投票が事実上破たんの引き金となり、表面上は“けんか別れ”とも思われた。しかし、「当時から西豆合併を主張する議員がお互いの町にいる。その関係が今も続いているのだろう」(元町議)と、4年前のつながりが今回の「否決」に影響しているとの声も。松崎町議の1人はこうも明かす。「松崎と西伊豆の議員の間で、『数年後に合併したい』との話も持ち上がっているようだ」
 一方で今回、「距離が遠い」「地域性が違う」と合併協議を“拒否”された他市町。河津町の団体職員男性(52)は「確かに距離はあるけど、仕事でもよく行くし、それほど遠く感じない。松崎を含めた伊豆南部でまとまりたい」と話す。「友人もいるし、松崎はむしろ身近な町」と言う下田市の自営業男性(58)は、「松崎の議会は自分勝手。周囲への影響も考えるべきだ」と手厳しい。
 今後、1市3町で合併協を設置するには、松崎町議会に設置案が再提出され、3月中に可決することが条件となる。松崎町の男性(75)は「西伊豆との対等合併はあり得ない。10年、20年先を見据えた判断を議会にお願いしたい」と訴える。

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1市3町の合併協設置議案を否決した松崎町議会臨時会=2月27日、松崎町



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