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教訓 中越/スマトラ沖

(1)大地の警告 余震に活褶曲の特徴

2005/01/24
 新潟県中越地震では、非常に広い範囲で大規模な余震が起きた。また、山古志村などで地滑りや山地崩壊の災害が広い範囲で発生し、これまでの地震では経験したことがない災害が発生した。直下型地震が起きたら、その原因となる活断層を探すという従来の調査法の定石では解決できない災害となった。明瞭な活断層が発見できなかったからだ。
 地殻運動の形態からは活褶曲(しゅうきょく)が議論されていたところで、今回の広範囲の余震活動は、まさに活褶曲の特徴と思われる。この活褶曲は北東―南西方向を軸に幅数キロの隆起帯が盛り上がってでき、地表では方々に垂直な引っ張り割れ目ができた。写真には手前の谷の斜面に沿って真っすぐな滑落面が生じ、遠景には山稜(さんりょう)の頂上付近にやはり滑落崖ができているのが分かる。これは山稜の頂部に、地震により引っ張り割れ目ができ、その割れ目に沿って谷側が滑り落ちたことを示している。地震後に撮影した空中写真を見ると、このような滑落の面が方々にでき、生々しい傷になっている。この場合、ずれの大きな活断層ができず、引っ張り割れ目により広い範囲が長年にわたり、ドーム状に盛り上がってきた結果と考えられる。このような割れ目が比較的密に入ったため、方々に垂直な滑落崖ができた。滑落崖が大きく、方々に傷跡ができた割には、崩落土砂の量がそれほど大きくないのは、割れ目が比較的密に入り、薄くはげたためで、これも活褶曲の特徴の一つ。
 新潟県の大規模地滑りは、数100万年前のころの熱帯多雨気候の下で、地層が広い範囲で風化し、地滑りの原因となるベントナイトなどの粘土鉱物ができたためで、この地域には厚い風化層の地滑りがある。山古志村は棚田がきれいに発達していることで知られ、震災前には水をたたえた美しい風景があった。この棚田は地滑り地にできており、地滑りの一つ一つがそのまま一枚の田んぼになり、段々になった。活褶曲による割れ目はここにも多数でき、田んぼの水が抜け、多数の棚田がだめになった。他方、地震による突き上げにより、地滑りの斜面がそのまま崩落し、至る所で道路の決壊が起きた。美しい棚田を修復するには、この地の地滑りについて調べる必要がある。地震を解明するには、地表を地道に歩いて調査すること。これが今回の地震の教訓と言える。(徳山 明・富士常葉大学学長)

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山古志村の斜面崩落。棚田も滑り落ちた



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