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教訓 中越/スマトラ沖

消えぬ津波痕 スマトラ沖地震6カ月(中) 肉親失い命絶つ被災者

2005/06/27
重い「心の病」
 国際的リゾートのプーケットなど、南部の各地でスマトラ沖地震の津波被害を受けたタイ。被災者の「心の病」は重い。5月20日、プーケットに隣接する南部パンガー県ナムケン村の海岸で、無職男性ピヤワット・スクシーケオさん(18)が木に掛けたひもで首をつり、自らの命を絶った。
 ピヤワットさんは津波で、母親(38)と妹(8つ)を失った。ふさぎこみがちになったピヤワットさんは、自室にこもって母親の写真に向かい、何かを語りかけることが多くなった。
 「息子は母親をとても愛していた」と父親のアートーンさん(42)。「自殺する少し前、息子は部屋の中で『お母さんが恋しい』『誰も僕を愛してくれる人はいない』と大声で叫んでいた」「息子は私にも何かを訴えたがっていたようだった。でも私は忙しく、ゆっくり聞いてやることができなかった」
 津波被災者の「心のケア」の中核施設として5月下旬にパンガー県に設置された、タイ保健省の「メンタルヘルス回復センター」によると、津波で親しい人を失った多くの被災者が自殺願望を持っている。
 タイ保健省によると、保健当局が津波直後から5月20日までに被災地で行ったカウンセリングなどの医療行為の件数は、延べ1万7000件にも上る。被災者に顕著な症状は自殺願望、無気力などの抑うつ症状、アルコールなどへの依存という。
 心の病を加速させているのは、長期化する避難所暮らしや失業などによる経済的困窮。「仕事も金もない人々が、時間を持て余す中で不安に落ち込んでいく」と同センターの担当者。
 一方、津波で打撃を受けた、観光業を中心とする南部の産業も復興とは程遠い。
 プーケット観光協会によると、津波後、各ホテルは通常の半額以上の割引をして集客を図っているが、半年を過ぎた今でも特に日本、中国、韓国などアジア系の観光客の落ち込みが激しい。
 同協会のキティ・パタナチンダ副会長は「通常なら40―60%の4―5月のホテル客室の占有率が、15%に満たない」と肩を落とす。
 観光業に従事していた人のうち、2割はプーケットを離れた。11月ごろから始まるハイシーズンに客足が戻る保証もない。「経済状況は最悪。今年1年の収入は昨年の半分に届けばラッキーだろう」。キティ副会長はいらだちをあらわにした。(プーケット共同)

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タイ南部のパンガー県で津波後に自殺した
ピヤワットさんについて語る父親のアートーンさん(共同)



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