元の居住地に戻り、自力で土地をならす避難民ら=インドネシア・アチェ州バンダアチェ(時事) |
公共の井戸で水浴びを終えた避難民=インドネシア・アチェ州バンダアチェ(時事) |
タイ南部プーケットのパトンビーチ中心部に設置された警報タワー。 高さ約15メートル、気象局などからの情報を受けて津波の際にはサイレンを鳴らす。 安全対策は進んでいるが、観光客は少ない(時事) |
政府補償も行き渡らず インドネシア・アチェ
スマトラ沖地震で最大の被害を受けたインドネシア・アチェ州では、被災者約50万人の半数が現在もテント生活を余儀なくされている。官僚主義の弊害や支援国との調整不足などで同国の復旧・復興活動は軌道に乗っておらず、生活再建の足掛かりがつかめない被災者の我慢は限界に達しつつある。復旧・復興活動が遅れたのは、インドネシア政府が体制作りに手間取ったためだ。
政府は3月には「緊急支援は終了」(カラ副大統領)として、一部国際機関、非政府組織(NGO)の活動を打ち切った。しかし、復旧・復興の主導機関となるアチェ復興再建庁を発足させたのは5月下旬になってから。壊滅した港湾、道路網の整備事業費も6月中旬まで承認されなかった。
この間、避難民キャンプ生活に耐えきれなくなった住民の一部が元の居住地に戻り、がれきの中で暮らしを再開し始めた。このため、避難民登録が進まず、政府が約束した生活補償金1日3000ルピア(約36円)は十分に行き渡っていない。(バンダアチェ時事)
M5前後が頻発
インドネシア・スマトラ島の各都市では、昨年12月26日の地震・津波以降もマグニチュード(M)5前後の地震が度々発生している。地元の非政府組織(NGO)などは、住民がパニック状態に陥らないよう防災への取り組みを呼び掛けているが、悪戦苦闘している。
同島アチェ州を拠点とする地元NGO「良心の集まり」は今年4月、防災意識の向上を目的として地元漁師の体験談や、地震発生時に取るべき安全行動などを30分間のCDにまとめ、国営テレビで月2回放送している。(バンダアチェ時事)
戻らぬ客足…ホテル廃業も タイ南部
タイ観光公社(TAT)によると、昨年末の津波で被災したプーケット、クラビ、パンガーの3県の最近6カ月の観光客は前年同期比70%減と大幅に落ち込み、ホテルなど観光産業に携わる中小企業420社が廃業に追い込まれた。このままの状態が続けば、今年は1000億バーツ(約2750億円)の損害が予想されている。
TATによれば、3県には宿泊施設として計3万5000室が登録されているが、過去半年間の平均稼働率は20%前後で低迷。現在は、宿泊客の大半は復興事業に携わる非政府組織(NGO)関係者らで、観光客はごく少数だ。
プーケットで3つの高級ホテルを運営するカタグループのパムック会長は「アジア人のメンタリティーとして、被災地を観光で訪れるのは罪悪感があり、客足が遠のいている」と分析。同グループは計約1億バーツ(約2億7500万円)を投じて緊急避難路を拡充するなど各ホテルを修復し、10月には客室稼働率を70%まで回復させる目標を立てている。(プーケット時事)