静岡新聞のニュースサイトへようこそ。本ページはスタイルシートとJavascriptを使用しています。
静岡新聞 > 特集一覧東海地震は今連載企画一覧 > 教訓 福岡県西方沖地震

ここから本文

教訓 福岡県西方沖地震

(2)余震の度に倒壊不安 県内も把握不十分

2005/05/23

 3月の福岡県西方沖地震では、ブロック塀の下敷きになり75歳の女性が死亡したほか、多くのけが人が出た。福岡市中央区の警固地区は、倒れたり亀裂が入ったりしたブロック塀を覆った青いシートが目立った。余震が続く中、塀のそばを歩行者が恐る恐る通る光景を目の当たりにして、東海地震への不安がよぎる。静岡県の第3次被害想定では、予知なく東海地震が発生した場合、ブロック塀や石塀の倒壊で23―120人が死亡するとされる。この被害を減らすための対策はどう進んでいるのか。


 県は、阪神大震災を教訓に平成7、8年度、県内の避難路や避難地、緊急輸送路沿いにある約1万2000カ所のブロック塀を調査した。県建築住宅総室によると、「撤去または補強が必要」は5564カ所。調査後、県や市町村が改善を呼び掛けているが、平成15年度末現在で2090カ所がそのまま残っているという。
 しかも、把握されている危険なブロック塀は限られた区域に過ぎない。県の委託を受けて調査を行った県建築士会の中野正文常務理事は「特に郊外には危険なブロック塀がまだ多い」と指摘する。
 県西部の郊外、幹線道路に面した住宅地。複数の家に、歩道と敷地を仕切る形でブロック塀が立ちはだかる。中には高さ約2メートル、幅十数メートルもある塀もあり、大人でも威圧感を覚える大きさ。近寄ると、老朽化で亀裂が走り少し傾いているのが分かった。問題個所を再び訪れた中野常務理事は「近くを子どもが登下校で通るんですよ」と話した。
 危険なブロック塀はどうすればいいのだろうか―。県建築士会によると、撤去して軽量なアルミフェンスや生け垣に替えるか、鉄筋を入れて補強するなどの対策が望ましいという。
 撤去や改修には各市町村に費用を補助する制度があり、撤去の場合、5万円程度を上限に助成される。静岡市では、平成10年の制度開始から16年度までに381件の申請があったという。市建築指導課の担当者は「市民の意識は少しずつ高まってはいるが、危険な塀が身近にあることがまだまだ認識されていない」と指摘する。
 安全対策をどう講じるかは、所有者に委ねられている。ただ、震災時、状況によっては賠償責任を問われかねない。福岡県西方沖地震を受けて福岡県弁護士会が開いた電話相談会には「隣家のブロック塀で車が破損した。修理代を請求したい」など、近隣間での賠償問題の相談が30件以上寄せられている。
 同県弁護士会の担当者は「過去の判例を含め実際に賠償責任を問うことは難しいが、『明らかに危険』と地震前から指摘を受けていた塀の安全対策を怠っていた場合は、賠償責任を問えるのではないか」と話す。まずは、地域の状況を把握した上、危険なブロック塀を放置しないで対策を働き掛けることが重要だ。


メール メールで記事を紹介 印刷 印刷する

大人でも威圧感を覚える大きなブロック塀。

老朽化で亀裂が入っていた=静岡県西部



[特集]

関連ニュース・バックナンバー




静岡新聞購読のご案内

デジ記者Webレポート

SBS動画ニュース

自然薯まつり

静岡新聞社の本

線路に沿って歩いたエッセイと細密画。今もそこにある、なつかしい風景と駅前の味。駅舎ファン必・・・[記事全文]
日本が見える47NEWS
47CLUB

携帯サイト案内

手のひらに最新ニュースを。会員にはメールも配信。お得なグルメ情報も掲載!携帯サイト「静岡新聞SBS」
携帯サイトについて
携帯サイト静岡新聞・SBS
ページのトップへ