静岡新聞のニュースサイトへようこそ。本ページはスタイルシートとJavascriptを使用しています。
静岡新聞 > 特集一覧東海地震は今連載企画一覧 > カリフォルニア防災会議に参加して

ここから本文

カリフォルニア防災会議に参加して

<中>身近な対策、熱心に議論

2005/07/18
 人種のるつぼというアメリカは、危機管理に関しても、そのバックボーンや手法もさまざま。抱える悩みや疑問も多様である。しかし、いかにして災害や危機を予防し、回避するか、そして被害を減らし復旧するかという目標は参加者の皆が一致している。3日間、会議場に缶詰めになって議論する彼らの姿は真剣そのものである。今年で5回目を迎えた「カリフォルニア防災会議」の参加者は年々増加している。来年は1906年のサンフランシスコ大地震からちょうど100年目に当たるため、建設途中にサンフランシスコ大地震を経験した由緒あるホテルを会場に、大々的に開催する予定とのことである。
 今回の会議でも、100年前のサンフランシスコ大地震の話題が出て、被災者の支援のため、遠く日本からも大量の義援物資が届き、市民が大変助かったという逸話が紹介された。その後に起きた1923年の関東大震災では、反対に米国から大量の義援物資や食糧が東京や横浜の港に届けられたことと併せ、当時の震災を通じての心温まる日米の交流の話題に関係者も盛り上がった。
 会議3日目の午後に同じ会場で開かれた「カリフォルニア州地震安全対策委員会」に招かれ、静岡県の津波対策の具体的取り組みなどを紹介した。この委員会は1971年のサンフェルナンドバレー地震を契機に設立され、州政府から独立した行政機関として民間の保険料から得る負担金を財源に、独自の調査や州議会に対し新法の提案を行うなどの活動を行っている。カリフォルニア州にはさまざまな問題を論議するため、約300の委員会があり、このうち財源なども独自に確保している独立行政委員会は20存在する。
 地震安全対策委員会には州議会議員や自治体職員、民間の有識者、一般市民など17人の委員が任命され、毎月の定例会で活発な意見が交わされている。基本的には無報酬のボランティアと聞き、自分たちの住む町を良くしようという熱意に感心した。私が参加した日の委員会も、2時間の予定をはるかにオーバーし、4時間に及ぶ熱心な議論が続いていた。何を議論しているのかと聞くと、学校のキャンパスの中にある危険な建物を告知する制度ができないか、安全対策の規制を受けていない民間の各種学校にも公立学校並みの安全対策を義務付けられないかなど、結構身近な地震対策が議論のテーマである。
 3日間の会議で共通的に出た話題は、社会の高齢化と障害を持つ人など要支援者が抱える課題であった。特に、危機管理や防災といった分野では、情報伝達の迅速性や、素早く動いたり運んだりということが多々求められる。他の助けがなければ、要支援者はつらい。何かサポートする手段はないかということで最新の情報技術の活用が挙げられ、一方で、ボランティアによるサポートネットワークを強化して臨もうという事例が、随所で紹介されていたことが印象的だった。
 (県防災局防災情報室長・岩田孝仁)

メール メールで記事を紹介 印刷 印刷する

カリフォルニア防災会議出席後、州地震安全対策委員会で

県内の津波対策などについて説明する岩田室長(左端)

=米国カリフォルニア州サクラメント市



[特集]

関連ニュース・バックナンバー


バックナンバー

<下>テロも含め危機管理 2005/08/01  

<上>共感得た本県津波対策 2005/07/13  




静岡新聞購読のご案内

デジ記者Webレポート

SBS動画ニュース

自然薯まつり

静岡新聞社の本

線路に沿って歩いたエッセイと細密画。今もそこにある、なつかしい風景と駅前の味。駅舎ファン必・・・[記事全文]
日本が見える47NEWS
47CLUB

携帯サイト案内

手のひらに最新ニュースを。会員にはメールも配信。お得なグルメ情報も掲載!携帯サイト「静岡新聞SBS」
携帯サイトについて
携帯サイト静岡新聞・SBS
ページのトップへ