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企業減災 リスクに強い社会へ

(2)業務の優先順位 社員の行動基準を徹底

2005/07/29
 静岡銀行は「ATM(現金自動預払機)の早期再開」を地震発生後に最優先する業務に位置付けている。東海地震をにらんで作成した「非常事態対策要綱」に明記してはいないが、「当面の現金が必要な市民の期待に応えることが金融機関の役割」(同行防災担当者)との考え方が基本にある。電気が通じなくなっても本部と各支店を自家発電と衛星通信を使ってオンラインでつなぎ、営業継続できる。
 支店の業務再開に向けた作業の第一歩は行員の安否確認。営業エリアで地震発生を確認すると同時に副頭取を長とする非常事態対策委員会は、支店長や選任してある緊急要員の行員ら約1000人の携帯電話にメールを一斉配信する。安否と出社の可否がすぐに把握できる仕組みだ。
 メール配信を受けて緊急要員は各支店に向かい、被害状況を調べる。緊急要員から刻々と寄せられる情報。対策委はこの情報を整理、分析し、計画で決まっている優先順位を基にどの支店を再開するのか―などを決める。
 江川謙次総務管財担当部長は「できるだけ早く支店を再開することは重要だが、行員の自宅周辺や支店周辺で困っている人がいれば、それを見過ごすわけにはいかない。地域あっての銀行だ」と付け加えた。
 2003年。ヤマハは浜松本社や天竜など県西部地区五工場などで残っていた部分の耐震化を決めた。01年秋に政府は東海地震予想震源域を従来より西寄りに見直していた。20年前から取り組んできた耐震化策。役員会が「地震はいつ来てもおかしくない。やるなら一気に」と決断した。
 地震防災マニュアルも同時に見直した。ただ、生産再開までのシナリオは完全には描き切れていない。高木徳八健康安全推進室長は「周囲の被害状況を見なければ再開の判断は難しいと考えた」と振り返る。被害を最小限に抑え、スムーズに生産を再開できるよう、従業員の行動基準を分刻みで記すなど事前準備に万全を期すのが精いっぱいだった。
 地震発生後は緊急出動要員が24時間ごと二交代で出社し、被害状況確認と二次災害防止に当たる。生産再開に向けて一般従業員が出社するのは地震発生から3日目と明記した。マニュアルは携帯用にポケット版も作成し、県西部の従業員約8000人に配布した。
 東海地震は予知が可能とされるが、被害を最小限に食い止めるため年2回の防災訓練は突然に起きた場合を想定した訓練に、重点を置き換えている。
 BCP(事業継続計画)は企業の危機管理に通じ、経営損失の軽減はもちろん、対外的な信用力向上にもつながるとして国内外の企業の間に導入の動きが広がっている。静岡新聞社の県内外主要企業60社を対象にしたアンケートでBCPを約半数の企業が「作成済み」と回答した。静岡銀行とヤマハはそのうちの2社で社員の安否確認や行動基準、データ保存などが明確だった。

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安否確認のメール。従業員が出社できるかが営業再開の
第一歩



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