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企業減災 リスクに強い社会へ

(4)基幹データ “県外保存”で損失防ぐ

2005/07/31
 スルガ銀行の長泉町スルガ平本部「キャンパス・ヘブン」。データーセンター長の佐藤好幸さん(55)がアネックスビル4階フロアの床板を開いた。顧客や預金、融資にかかわる膨大な基幹情報を集約する約2000平方メートルのコンピュータールーム。床下から、四方を黒色のばねで固定された油圧式の免震装置が現れた。「以前、この部屋にいたときに中規模の地震が起きましたが、ほとんど揺れを感じませんでした」。佐藤さんは「心臓部」の地震対策が万全であることを強調する。
 地下20メートルの岩盤にコンクリートの支柱を打ち込んだこのビルは、設計上、関東大震災の2倍以上の揺れにも耐えられる。コンピュータールームの床下には約80基の免震装置を設置した。品質マネジメント部の長島四郎システム部長(55)は「顧客や取引のデータ情報は生命線。震災で損なわれる事態があってはならない」と力を込めた。
 耐震性だけに依存しているわけではない。「万が一の事態」も想定し、愛知県や大阪府内にデータのバックアップを保存する。長島部長は「被災しても、バックアップデータを基に半日から1日で業務を復旧できる」との見通しを示す。
 東海地震の被害想定域外での基幹データの保護は、県内企業の災害対策上、特に重要視される。防災専門の部署を設置して危機管理に当たる富士市の自動車部品メーカー「ジヤトコ」も、早くから力点を置いてきた。部品番号などの生産関連データのバックアップを取り、2週間に1度は本社から滋賀県に運ぶ。
 地震対策推進室の戸村好晴室長(51)は「基幹情報を喪失すれば、生産のすべてが壊滅状態になる。直ちに企業活動が停止することを意味する」とデータ保護の重要性を指摘する。
 電気やガスなどのライフライン関連企業でも、基幹データの保護対策が進む。中部電力ではコンピューター専用建屋に免震床などを採用する一方で、電子計算拠点の複数化などに取り組む。静岡ガスは昨年、免震構造の東館を完成させた。メーンコンピューターを収容し、ガスの生産・供給などにかかわる重要データを守る。「現在は震災で不測の事態が起こる心配は払しょくされた」(環境安全対策グループ)と説明し、影響が市民生活に直結する情報の保護に自信をのぞかせる。
 企業減災を考える上で、基幹データの保護対策をBCP(事業継続計画)の柱として盛り込むことの重要性が高まっている。

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床下に埋め込まれた免震装置。二重、三重の

対策で震災から基幹データを守る

=長泉町のスルガ銀行アネックスビル



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