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企業減災 リスクに強い社会へ

(5)物流確保 確実な情報伝達が鍵

2005/08/01
 裾野市に主要機能を置く自動車部品メーカーの矢崎総業(本社・東京)は新潟県中越地震で、同県内の工場が一部被災した。通常使う日本海ルートのアクセス道路が寸断されたとの情報を得ると最適な迂回(うかい)路を探し出すノウハウを駆使して太平洋ルートに切り替え、事なきを得た。
 「確実な情報をいかに集め、伝達できるかが事業継続の鍵と再認識した」。矢野博文財務室管財・保険部参与部長は当時を振り返り、東海地震発生後の物流確保の要点を指摘した。迅速対応が必須のグローバル企業に“待った”は許されない。
 東海地震を含む危機管理の基本方針は「人命優先」と「納入の継続(迅速な再開)」の2本柱。
 東海地震への備えは2001年から本格化させた。日本地震学会で発表した五十嵐丈二東大助教授の研究を基に独自に想定した「Xデー」は04年2月。これを期限に県内工場の耐震化を進め、03年中に終えた。
 自動車業界は経費削減のため在庫を減らす経営手法が主流。部品納入の遅れは業界全体に影響を及ぼす。納入先メーカーからBCP(事業継続計画)の策定を求められ、真っ先に自動車部門の工場で「納入の継続」に向けた復旧計画を作った。
 「納入先の生産ラインをストップさせない」(広報担当者)を旗印に、自動車部門が設定した復旧目標日数は「8日」。
 従業員の安否確認後に工場被害や材料欠品などの確認と並行し、物流確保に向けてアクセス道路などの被害を調べる必要がある。輸送車両は関連の物流会社で融通する。
 被災地の工場を復旧させるのが困難になれば、海外を含む他地域の工場で代替生産を早急に検討することになる。国内外で確実に外部と連絡がとれる衛星電話を既に各工場に導入した。東海地震発生と同時に、総務人事室長を長とする危機管理委員会や関連の物流会社を中心に情報の入手・分析を始め、物流の最適ルートを探し出す方針だ。
 矢野参与部長は「詰めはこれからだが、今までのノウハウの蓄積で物流は確保できると思う」と自信をのぞかせる。人、モノへの課題はほぼ終わった。今後は緊急資金の手当などプロのリスク調査を経て「『備えあれば憂いなし』のレベルに引き上げたい」と言う。
 静岡新聞社のアンケートで約半数が作成済みと答えたBCPに、「物流確保策」を盛り込んだ企業は矢崎総業など少数にとどまった。物流は外注化が進み、同社のような「自己完結」は難しい。非常時に備えた物流会社との関係構築や情報収集策の確立が急がれる。

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物流の確保には、まず工場へのアクセスに関する情報収集・分析が

鍵と指摘する矢崎総業=裾野市内



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