静岡新聞のニュースサイトへようこそ。本ページはスタイルシートとJavascriptを使用しています。
静岡新聞 > 特集一覧東海地震は今連載企画一覧 > 企業減災 リスクに強い社会へ

ここから本文

企業減災 リスクに強い社会へ

(6)国際規格化 欧米主導の動き懸念

2005/08/02
 「テロ対策を重視する欧米型のBCP(事業継続計画)がそのまま国際規格化されれば、日本企業にはデメリットが大きい」。日本経団連の樋口公啓顧問は5月、自らが座長を務める政府中央防災会議の専門調査会で指摘した。別の委員からも欧米主導の「BCP国際規格化」の動きを懸念する声が上がった。
 「国際規格化」が現実味を帯び始めたのは、今年1月。ISO(国際標準化機構)に設けられたセキュリティー高級諮問グループ(日本を含む7カ国参画)が「できるだけ早くBCPの国際標準化を図るべき」とする姿勢を打ち出したことが発端だった。グループの議長国は米国。「米国優位に進めたいという強い意向」(政府関係者)がにじんでいた。
 静岡県内の企業に代表されるように、国内企業の自然災害対策は世界のトップレベル。一方でテロ対策は後れを取っている。日本国内ではリスクとしてのテロの位置づけが地震などに比べて低いからだ。欧米型BCPが国際規格化されれば、国際的なビジネスを展開する上で、国内企業は過剰なコスト負担を強いられかねない。
 まだ流動的な部分は残るが、来年1月ごろに開かれるインターナショナル・ワークショップ(IWA)で、期限3年間の暫定的な国際標準が決まる見通しだ。原案作成はホスト国の米国が主導する。経済産業省は「ISOはIWA後に(国際標準を定める)正式な文書を練り上げるが、作業はIWA決議を基本線に進む」とみている。事実上の路線決定は目前だ。
 米、英両国には国際規格の土台になり得る国内基準(NFPA1600=米=、PAS56=英=)が整備され、着実に浸透しつつある。両国が大きく先行する存在であることは動かし難い事実だ。経産省は「何とかしてIWAの原案の作成段階で日本の意見を入れ込み、テロ対策の色を薄めることが重要になる」と策を練る。
 産業・防災行政や市場関係者がBCPに対する関心を高めている背景にこの「標準化論争」があることは間違いない。経産省や内閣府は今年、日本版のBCP策定ガイドラインを作成するなどして国内におけるBCPの概念の普及、策定推進に向けた取り組みを急加速させている。国際協議に向けてブレーンとなる有識者組織も設置した。
 経産省によると、最近は首都圏などの国内企業に対してBCPの策定を契約条件にしたり、立ち入り監査を行ったりする米国企業も出てきた。BCPは既に、身近に影響を及ぼし始めている。

メール メールで記事を紹介 印刷 印刷する

経産省や内閣府が今年作成したBCP策定ガイドライン。

国際標準化協議の武器にもなる



[特集]

関連ニュース・バックナンバー




静岡新聞購読のご案内

デジ記者Webレポート

SBS動画ニュース

王朝きものショー開催 沼津

静岡新聞社の本

「日本酒や焼酎が充実」「絶景&美景レストラン」「絶品コース料理が評判」「食通が集う庶民派の・・・[記事全文]
日本が見える47NEWS
47CLUB

携帯サイト案内

手のひらに最新ニュースを。会員にはメールも配信。お得なグルメ情報も掲載!携帯サイト「静岡新聞SBS」
携帯サイトについて
携帯サイト静岡新聞・SBS
ページのトップへ