静岡新聞のニュースサイトへようこそ。本ページはスタイルシートとJavascriptを使用しています。
静岡新聞 > 特集一覧東海地震は今連載企画一覧 > 企業減災 リスクに強い社会へ

ここから本文

企業減災 リスクに強い社会へ

(7)BCP作成の現場 鍵握る経営者の意識

2005/08/03
 神戸市で1月に開かれた国連防災世界会議。東京海上日動リスクコンサルティング(東京都千代田区)主席研究員の指田朝久さんは詰め掛けた約100人の企業防災担当者を前にBCP(事業継続計画)の展望を熱く語った。担当者のまなざしは真剣そのものだった。
 ほぼ毎月、セミナーの講師をこなす指田さんには毎回担当者の熱意が伝わってくる。ただ、それがすぐにBCP作成の依頼に結び付くわけではない。指田さんは「災害時、事業継続のために取引先のA社とB社どちらを優先するか―。本来はトップにゆだねられる判断もBCPの範ちゅうになる。セミナーに出席する防災担当の彼らにはその権限がないんです」と現実の聴衆と理想とのギャップを口にする。
 指田さんがBCPの支援業務を始めたのは米国でサンフランシスコ大地震が起きた16年前。壊滅的な被害にもかからず、BCPに従って素早く業務復旧を果たした米国の企業群を視察し、衝撃を受けて帰国した。これまでに国内数十社のBCP作成に携わった。講師としても全国を飛び回るBCPの第1人者だ。
 そんな指田さんは「BCPは防災マニュアルの延長ではない」と強調し、「経営者の意思決定なんです。社長室や経営戦略室が担当すべき話。現状では防災担当者から経営者に話を持っていくまでに高いハードルがある」と問題点を指摘する。
 耐震工事もままならない中小企業にとっては、BCPを作成する余裕がないという事情もある。指田さんも「現在作成しているのは大手企業がほとんど」と説明する。
 そんな中、NECグループのNECソフト(東京都江東区)はことし6月、中堅企業に的を絞ったBCP策定支援サービスへの参入を発表した。今後3年間で30ユーザーの獲得を目指す。
 「国がガイドラインづくりに乗り出したことで中堅企業のBCPも見込めるようになった」。広報室の井田隆雄室長が新規参入の背景を説明する。同社は業務システムの設計・構築から維持管理までを一括して手掛けてきた本業の技術力とノウハウの蓄積を生かし、廉価でのBCP作成を支援する。中小企業の需要を取り込みたい考えだ。
 BCPコンサルティングは企業の数だけビジネスチャンスを秘めた新しい市場になりつつある。井田室長は「7月23日に東京で震度5強を観測した地震の後、営業場面でBCPの話題が増えました」と関心の高まりを実感する。今後、新規参入は急速に増え、中小企業のBCP作成が一気に進む可能性がある。
 同社静岡支社が昨年開いたセミナーのタイトルは「東海地震発生!あなたの会社はビジネス継続できますか?」―。そこにはBCPの鍵を握る経営者へのメッセージが込められている。

メール メールで記事を紹介 印刷 印刷する

「BCP普及の鍵は防災担当者ではなく経営者にある」と指摘する指田さん

=東京都千代田区の東京海上日動リスクコンサルティング



[特集]

関連ニュース・バックナンバー




静岡新聞購読のご案内

デジ記者Webレポート

SBS動画ニュース

清水港マグロまつり2008

静岡新聞社の本

「日本酒や焼酎が充実」「絶景&美景レストラン」「絶品コース料理が評判」「食通が集う庶民派の・・・[記事全文]
日本が見える47NEWS
47CLUB

携帯サイト案内

手のひらに最新ニュースを。会員にはメールも配信。お得なグルメ情報も掲載!携帯サイト「静岡新聞SBS」
携帯サイトについて
携帯サイト静岡新聞・SBS
ページのトップへ