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備え再点検 防災の日を前に

<中>津波避難ビル 建物の「数」確保急務

2005/08/26
 「揺れたら、近くの高い建物にすぐ駆け込むこと。ひざまで水に漬かったら逃げられない」。スマトラ沖地震によるインド洋大津波は、昨年12月の発生直後に現地入りした富士常葉大環境防災学部長の小川雄二郎教授の「津波避難のイメージ」を一変させた。その速さと破壊力のすさまじさは、行政に津波対策の再点検を迫っている。
 国は今年6月、逃げ遅れ対策として津波避難ビル整備のガイドラインをまとめた。新耐震基準の昭和56年以降に建てられた鉄筋コンクリート造りで、想定浸水の高さが2メートルなら3階建て以上―など、10分な耐震性、安全性を求めている。容易に逃げ込めるよう、鍵の管理方法も重視した。
 県は58年から、独自基準で東海地震対策の津波避難ビル整備を進めてきた。沿岸26市町が指定した津波避難ビルは255棟。しかし、国のガイドラインと基準が異なる。総合防災訓練を前に、関係市町に見直しを指示した。
 県防災局の岩田孝仁防災情報室長は「ガイドラインは、あまりに理想的」と指摘する。指定済みの津波避難ビルが、国の基準では不適格となるケースも想定される。「なるべく多く避難できる建物を用意することが優先」と対応に慎重だ。
 今回、総合防災訓練の会場となる焼津市は市街地が海岸に沿って広がる。市消防防災局の望月康男総務企画課長は「スマトラの津波以前から、津波対策は最重要課題だった」と力を込める。
 最大で高さ3・9メートルの津波を想定する市内の浸水域の人口は約3万人。住民が5分以内に到着できる津波避難ビルの指定は19カ所。屋上への外付け階段の鍵は緊急時に壊して出入りできるように留意した。
 正式な「指定」には耐震診断の実施や、避難による建物破損の補償など所有者との交渉が欠かせない。毎年1、2棟追加するのが精いっぱい。望月課長は「現状の収容能力はまだぎりぎり。今後も指定を増やす」と決めている。これとは別に、各自主防災組織も「津波1時避難所」の確保に努めている。避難者の受け入れを了承したマンションなど民間の建物は41棟を数える。
 一刻を争う津波避難。行政が準備する施設だけでは避難者をカバーしきれない。被害をかわす方法を皆で考える。そんな地域の自助努力も欠かせない。

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県が独自基準で整備した津波避難ビル。国のガイドラインと

基準が異なるため、関係市町は指定見直しに取り掛かって

いる=静岡市内



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