国際貿易港「清水港」を抱える静岡市清水区。港周辺には石油コンビナートやコンテナターミナル、工場群のみならず、フェリーの発着所、海釣り公園、エスパルスドリームプラザなど民間商業施設も並び、従業員や観光客の津波対策が課題となっている。
駿河湾、遠州灘を震源とする東海地震の第三次被害想定では、地震発生から数分で約1・5メートルから3・2メートルの津波が港に到達。人的被害は死者20人、重傷者1人、中等傷者2人となっているが、港に集まる不特定多数の人たちは試算に含まれていない。関係機関は「津波から港を守る」ハード整備を中心に対策に力を注ぐ。
県清水港管理局は陸閘(りっこう=開口部の防潮扉)などを自動開閉させる「清水港海岸津波防災ステーション」の整備を進めている。三保、折戸、富士見、日の出、袖師地区に設けた無人制御所を通じて、同局と清水区役所から光ケーブル、無線で開閉の指令を送る。また震度5強以上を感知すると自動的に閉鎖する。電動、手動陸閘と電動水門計54基を管理する全国的にも大規模なシステムだ。
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大勢の観光客でにぎわうエスパルスドリームプラザ =静岡市清水区入船町 |
市消防防災局は同報無線を166基配置し、早急な情報伝達に向けた対策を重点的に進めている。また津波避難ビルを約50カ所指定。9月1日の防災訓練にはエスパルスドリームプラザと津波を想定した避難誘導も実施するなど、周辺企業との協力体制も築いている。
同局防災指導課の中野達也さん(50)は「観光客の地震や津波への意識はそれぞれ。津波発生時、そうした人たちの安全を確保するためには、地域がしっかりとスクラムを組んでいることが大事」と話している。
