行政の合併が進む一方、旧市町村の自主防災組織の連合体が一本化されていません。行政との連絡体制に支障はありませんか。
「旧浜松市域は『自主防災隊連合会』を組織しているが、合併前の他市町村には連合体がなかったところもある。行政の施策が一元化されたので連絡調整の意味では自主防側の窓口も一本化した方が、行政上の指示が円滑に末端まで伝わる。現在、政令市移行に合わせて自主防の連合体をつくる方向で話を進めている」
連合体をつくる自主防側に課題はありますか。
「どこまでの災害対応を自主防の役割とするのかなど、地域によって自主防側にも考え方の違いが見られる。そのような点は将来的に考え方を統一しなければならない。山間部には数世帯しかない自主防もあり、自主防の連合体を組織することで、近隣から救援に駆け付ける体制も考えたい。今回の総合防災訓練は地域の実情に合わせた分散型。各地域が『自分の地域は自分で守る』という自主防の理念を再確認できる場になる」
広大な市域を抱え、行政は異なる地域性に対応できるでしょうか。
「政令市移行後、総合事務所に代わる区役所や地域自治センターに防災機能は残ると聞いているのでそれほど懸念はしていないが、山間部と平野部、海岸部で行政の対応が変わるのは当然。そうしてもらわなければ困る。基本的に単体で行動する自主防は、地域に合った方法で対応できる」
浜松市は3万人を超える在住外国人を抱えていますが、外国人への対応策はありますか。
「これだけ外国人が多くなると、連携しなければならない。しかし、言葉や習慣の違いがあるので、すぐに一緒になって訓練するのは難しいだろう。外国人だけの組織を作って防災教育や訓練をした上で、徐々に日本人の組織と一緒にやっていく形が理想的だ」
少子高齢化が進んでいますが、自主防として対応策はありますか。
「高齢者や体が不自由な人はもちろん、被災時に協力してもらえる医師や看護師が地域にどれだけいるのかを事前に把握しておく必要がある。一方で、それは個人情報保護法の影響で難しくなっている。また、自治会費だけ納めて活動には協力しない若年層も増えている。とにかく、普段から地域内のコミュニケーションを大切にしていくしか方法はない」