静岡新聞のニュースサイトへようこそ。本ページはスタイルシートとJavascriptを使用しています。
静岡新聞 > 特集一覧東海地震は今連載企画一覧 > 震度6強の教訓~能登半島地震静岡新聞記者ルポ

ここから本文

震度6強の教訓~能登半島地震静岡新聞記者ルポ

<上>ゆがむ家、高齢者悲痛 明暗分けた耐震性

2007/03/28

 道路の所々にあふれるがれき、注意を促す黄色いテープ―。最大震度6強の「烈震」から3日目を迎えた27日、震源地から近く、最も被害の大きかった石川県輪島市の門前地区に入った。震源断層に近づいていることを示すように、能登空港から車で約30分、住宅や商店が何軒もぐしゃりと倒壊した光景が突然目に飛び込んできた。
 門前地区の全壊戸数は35戸(27日午後5時現在、輪島市役所まとめ)で、輪島市内全体の倒壊戸数の4割が集中する。しかし、実態は激しく壊れた家と、そうでない家との差が際立っているように見えた。
 「初めはぼう然とするだけだった。昨晩、隣の妹たちの家で寝られたから元気が出た」と話してくれた化粧品店経営吉村酉さん(73)。築40年の店舗は倒壊こそ免れたものの、店構えは大きくゆがみ、「つぶすしかない」状態に。20年ほど前に増築したという奥の居住空間はほぼ原形をとどめていた。築100年近いという妹の家は3年ほど前に改修し、被害を免れていた。
 研究視察で訪れたという名古屋市内の一級建築士(31)は「昭和56年の新耐震基準の前後での被害の違いが際立っている。筋交いも壁も少ない店舗や古民家に典型的な倒壊が見られる」と分析した。
 会社員平場将男さん(37)の住まいでも似た現象が見られた。20年ほど前に改修した築40年の母屋は「中はめちゃくちゃに物が散乱したが、生活できる」状態。一方、築30年の離れは使用禁止を伝えられた。築50年はゆうに超すという隣家は跡形もなく、がれきの山と化していた。
 高齢化率が50%近い過疎地で、「この先どうしたらいいのか」とこぼす高齢者も多かった。住居が大きくゆがんだ無職男性(76)は「年金生活の私にはどうしようもない」。
 こうした声を耳にすると、住宅本体の建設費は補助対象外となる国の被災者向けの住宅再建支援制度を一層拡充する必要性を痛感する。それ以上に、いずれ来る東海地震と向き合う静岡県民にとっては、変わり果てた家々から「家を倒さない、そのために何ができるか」を考え、建物の耐震診断、改修を加速する契機にしたい。県や市町村もそうした取り組みを税制などで後押しする仕組みを再度練り直すべきではないか。

 25日午前9時40分ごろ発生した能登半島地震。現地を歩き、被害の現状と切迫性が叫ばれ続ける東海地震に通じる課題をリポートする。


メール メールで記事を紹介 印刷 印刷する

大きな余震があれば崩れ落ちそうな民家も数多くある
=石川県輪島市門前地区



[特集]

関連ニュース・バックナンバー




静岡新聞購読のご案内

デジ記者Webレポート

SBS動画ニュース

自然薯まつり

静岡新聞社の本

線路に沿って歩いたエッセイと細密画。今もそこにある、なつかしい風景と駅前の味。駅舎ファン必・・・[記事全文]
日本が見える47NEWS
47CLUB

携帯サイト案内

手のひらに最新ニュースを。会員にはメールも配信。お得なグルメ情報も掲載!携帯サイト「静岡新聞SBS」
携帯サイトについて
携帯サイト静岡新聞・SBS
ページのトップへ