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能登復興「光と影」~地震から3カ月、静岡新聞記者ルポ~

(2)2年後の不安 住宅再建、めど立たず 支援制度の改善急務

2007/06/24
 市の運動広場を転用した造成地に白いプレハブ住宅が150戸整然と並んでいる。石川県輪島市道下地区の仮設住宅。同地区住民を中心に150世帯、300人余りが4月末から生活している。日中は一部の高齢者が残る程度といい、寂しく静まりかえっていた。
 「高齢者が多いので玄関や室内の段差解消、手すりの設置などバリアフリーに配慮した」と石川県建築住宅課。多湿の気候に配慮し天井裏の結露を防ぐ換気装置も設置するなど、近年の大地震の教訓を生かして居住性向上が図られた。仮設住宅は石川県内に334四戸、約18億円を投じて整備された。
 最も多い間取りは四畳半2間と六畳弱の台所の2DK。「浴槽のへりが高くて入りにくい」「狭くて息苦しい」などと高齢者からの声が聞かれたが、会話を交わした人皆が、制度上2年間の期間限定ながらも自宅を持てた安堵(あんど)感を口にした。
 入居者の多くに共通する不安は「2年後」。住宅再建のめどが立っていない人がまだ大半だ。
 「毎朝、更地になった自宅を見ると涙が出てくる。年金暮らしで何ができる。この年齢では借金もできん」と元土木作業員男性(88)。被災者生活再建支援法などに基づく支援金に期待し何度か役場にも相談した。「丁寧に説明してくれるが、どうにも難しくて理解できん。建築には充てられん金もあるという。しまいには、悪いけれど、腹が立ってくるんや」
 輪島市舘地区の仮設住宅に暮らす農業女性(77)も「代わりに金沢の息子に相談に行ってもらったけれど、それでもよく分からないの。お父さんも私も疲れて嫌になってきた」とつぶやいた。中には「仮設を2年後に安く払い下げてもらえたらそれでいい」(70歳、無職男性)と既に自力再建に後ろ向きな人もいた。無論、払い下げは制度上あり得ない選択肢だ。
 政府は来年の法改正を目指して支援制度の見直しを進めているが、その場でも被災者が指摘する制度設計の複雑さや、住宅本体の建築費を対象外とする仕組みの改善が議論の核となっている。現行制度が逆に再建意欲をそぐ結果にもなっている現実は重視すべきだ。
 住宅は個人の財産であり、完全自立再建が道理だ。今後の東海地震などに向けては能登の現状を教訓に、改築よりはるかに低投資で済む住宅の耐震化を推進することは当然だが、最後の救済策として使い勝手の良い支援制度を構築しておくこともまた喫緊の課題だ。

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2年間の居住が認められる仮設住宅。自宅再建の不安が渦巻く=石川県輪島市内



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