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能登復興「光と影」~地震から3カ月、静岡新聞記者ルポ~

(4完)観光風評被害 客足の戻り依然鈍く 夏場の盛り返し切望

2007/06/26
 石川県輪島港近くの朝市通り。名物朝市は午前8時から始まり、色とりどりのテントやパラソルがずらりと並ぶ。その数約200軒。売り子の「おばちゃん」たちの多くも能登半島地震で自宅が被害を受けた。全店そろって営業を再開したのは4月11日のことだった。
 今月20日、朝市が最もにぎわうという午前9時すぎから1時間ほど通りを歩いた。「お兄ちゃん、ちょっと寄ってってね」「こ(買)うてってよ」。人懐っこい呼び込みが続く。だが、人影はまばらだ。
 「今月はようやくいい時の4分の1くらいの売り上げかな。4月はゼロの日もあった。団体さんも減ったから」と、カニなどの鮮魚を扱う浅野節子さん(68)。「本当に風評は怖い。仕入れた物を毎日、処分するのがつらいね」とこぼした。
 同じ輪島市でも朝市のある輪島地区の被害は門前地区(旧門前町)より小さく、傷跡も目に付かない。しかし、客足の戻りは鈍いままだ。輪島駅前の阿づま寿し(田端喜久雄さん経営)は「5月は例年の半分ほど。こんなことはなかった。何とか夏には盛り返してほしい」と願うばかりだ。
 石川県観光交流局によると、書き入れ時のゴールデンウイークの入り込みは朝市で対前年比30%減。輪島温泉、和倉温泉(七尾市)も25%減だった。旅館や観光施設は95%以上通常営業しているが、大規模に展開している観光誘客キャンペーンも十分な効果は得られず、夏に向けた予約も「まだまだ動きが鈍い」という。
 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」でおもてなし日本一の勲章に27年間連続で輝く和倉温泉の旅館「加賀屋」も4月下旬まで約1カ月間休業。客足はほぼ前年並みに回復したが、6、7月のキャンセルも若干出ている。企画課長の三井則由さん(33)=磐田市出身=は「休業中のつらさを忘れず、お越しくださるお客さまに精いっぱい感謝の思いを伝えたい」と思いを新たにする。
 能登半島広域観光協会理事長、和倉温泉観光協会長を務める加賀屋の小田禎彦会長(67)は「こんな時に遊びに行くのはお邪魔じゃないか、酒を飲んでいていいものだろうかと、遠慮するお客さまもいる。来てくださることが何より力」とアピール。中には客の戻りが芳しくない宿もあるが、「業界皆で支え合い、廃業を出すことなく何とか乗り切りたい」と力を込める。
 新潟県中越地震では風評被害が約2年間尾を引いた。伊豆や浜名湖などの観光地を抱える静岡県も東海地震発生後には必ず直面する課題だ。

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輪島名物の朝市。客足の戻りは鈍く、地元住民の方が目立つ=輪島市内



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