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その時備えは~2007・9・1静岡県総合防災訓練

【4・完】「教訓」生かす浜岡原発 住民目線の安全性強調

2007/08/28

 「国が言う安全と国民が考える安全。両者の意味が全く違うことが浮き彫りになった」―。新潟県中越沖地震を受け、中部電力浜岡原発(御前崎市)の地元自治体の原子力担当職員がこう漏らした。中越沖地震は「重大な放射能漏れが起きなければいい」「地震と原発災害は関連づけない」とされてきた原発防災の在り方に一石を投じた。
 地震大国でも50基を超す原発を安全に運転できるという自信の下に築かれてきた日本の原子力行政。実際、重大な放射能漏れ事故はなく「安全神話」とも称されてきた。それだけに黒煙を上げる東京電力柏崎刈羽原発の映像は国民に衝撃を与えた。多くが「安全神話の崩壊」を予感した。
 一方、国は「原子炉を止める、冷やす、放射能を閉じ込める、という重要機能は維持された」と安全性を強調。地元の観光地や農家は風評被害という現実に頭を抱えていた。原発の安全神話をめぐる国と国民の考え方の違いは決定的だった。
 中電の対応は早かった。中越沖地震発生の8日後には変圧器の消火訓練を他の原発に先駆けて実施。1カ月後には初期消火に備える専従ポスト新設を発表した。今月30日にも防災訓練を予定。数百人が参加し、通報連絡訓練をはじめ、重油タンク火災や放射線測定装置の故障など地震被害を想定して行う。
 浜岡原発では7月29日夜に煙火災が発生し、現場の発見に手間取るなど初期対応が遅れた反省もあった。水谷良亮浜岡原子力総合事務所長(60)は「柏崎刈羽の件はもちろんだが、火災報知器の作動事象が大きな教訓になった」と明かし、「原発は地域住民に不安を与えないことが何より大切だとあらためて痛感した。そのための訓練はいとわない」と話す。
 26日に御前崎市内で開かれた国主催のシンポジウム。阪口正敏本店原子力部長(56)は「できることは何でもやろうという精神で対応している。安心して見守ってもらえる原発を目指し、目に見える強化を図りたい」と住民目線での安全性の大切さを強調した。
 今年の総合防災訓練では政府本部訓練の緊急参集チーム協議に原子力安全・保安院長も初参加し、浜岡原発の警戒強化に備える。保安院は自然災害の自動参集メンバーではないが、中越沖地震では危機管理官の要請で参集されたからだ。同院原子力防災課は「東海地震でも原発対応は当然必要になる」と説明する。住民の不安に応えた原発の防災訓練は欠かせないものになりつつある。
 (この連載は東部総局・金原一隆、御前崎支局・鈴木誠之、社会部・河村英之、大仁支局・尾原崇也が担当しました)

メモ
 新潟県中越沖地震では東京電力柏崎刈羽原発の屋外変圧器で火災が発生。運転員らが被害確認などに追われて初期消火に対応できず、結果的に住民の不安が増大した。地震を受け、中部電力は浜岡原発(御前崎市佐倉)の消防体制の充実を図りつつ、地震に伴う火災を想定した消火訓練を実施している。消火チームは4班の輪番制で9月中にすべての班が大規模訓練を経験することを目指す。


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 新潟県中越沖地震後、他の原発に先駆けて中電が実施し

た屋外変圧器の消火訓練=7月24日、御前崎市佐倉の浜

岡原発



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