わが家へ足早に歩き始めた駿河さん。街には警戒宣言を知らせるサイレンが鳴り響き、物々しい雰囲気が漂った。バスやタクシーもストップ。交通整理などに当たる警察官の姿も見られだし、車は徐行運転を指示された。避難路や緊急輸送路となっている大きな道路では、通行規制が始まった。
駿河さんの同僚の浜名さんは会社を出るのが遅れ、ターミナル駅で足止めを食った。新幹線こだま号が停車し、千人近い乗客が吐き出された駅構内は騒然。「大阪までどうやって帰るんだ」という怒号も聞こえる。改札口では「列車は動きません」と駅員が必死に説明した。帰宅難民化した乗客向けに、JRが「避難地まで誘導いたします」とアナウンス。地元市が用意した避難地まで、社員が乗客を誘導した。
東海さんの自宅周辺でもサイレンが鳴り、市の広報車が警戒宣言発令を知らせた。市役所には「どこへ避難したらいいのか」などと問い合わせが殺到。職員は「避難が必要なのは、津波や山がけ崩れの危険予想地域に指定されている地区の人です。それ以外の人は、家の内外の安全な所で発生に備えてください」と説明に追われた。
駿河さんの周囲には、同じように歩いて家路を急ぐ人が少なくなかった