東海地震が発生、あるいは発生しそうになったとき、どんな状況になるのか、取るべき対応、行動は―。仮想しながら東海さん一家とともに考えてみたい。
テレビをつけながら洗濯物を畳んでいた伊豆美さんは、思わず手を止めた。ドラマが臨時ニュースに切り替わった。「東海地方の地殻変動の観測データに異常が見られたため、気象庁が観測情報を発表しました」
伊豆美さんは防災パンフレットを持ち出して、確認した。「観測情報」は、いわゆる判定会をすぐ招集するほどのレベルではないものの、観測データの推移を見守る必要があるという現象が見られた場合に出される“注意報”的な情報だ。「すぐ避難したりとか、慌てる必要はないのね。落ち着いて今のうちに確認できることをしておけばいいのね」
テレビも詳しい解説を始めた。「静岡県内の体積歪み計のいくつかで変動が確認されていますが、その幅はまだ小さい状況です。原因を気象庁が調べています」「次の情報は2時間後に出されます。今後の情報に注意してください」
呼び鈴が鳴った。隣の奥さんだ。「よく分からないけど、なんだか地震が来そうなこと、テレビで言ってるわよ。早く逃げなきゃいけないんじゃないの」とだいぶ興奮している。「まだ判定会が開かれるとか、警戒宣言が出たとかの段階じゃないから、慌てなくてもいいのよ。とにかく万一に備えて準備は始めておくことよ」と伊豆美さんがなだめた。奥さんが帰ると、伊豆美さんも準備行動を始めた。