東海地震のような大災害では、個人や家族の力だけではできることに限界がある。地域の人々が協力し合って、災害の拡大を防ぎ、被災後の生活の維持などに当たる必要がある。その中核となるのが自主防災組織(自主防)だ。
「県内には約5100の自主防があるそうだ。結成率は100%に近く、全国でもトップなんだって」と駿河さん。「じゃあ、いざ地震のときでも十分対応ができるんだね」と遠州君は安心した様子だが、「いやいや、現実はなかなか大変みたいだよ」。
自主防は通常、自治会や町内会単位で組織され、町内会に入ることで、自動的に自主防の一員になることが多い。「そのため、自主防に加入している、という意識が薄い人も少なくないようだ」。東海地震についての県民意識調査(平成13年度)でも、自主防に「入っていない」「分からない」など加入意識のない人が30%以上もあった。
「自主防ってどんな活動をしているの」。富士子ちゃんが尋ねた。「平常時には、必要な防災知識や情報を住民に伝えたり、地域の危険個所の点検をしたりとか。防災訓練も大切な活動だね」。地震が起きた時は、初期消火や崩れた家からの救助などを、自主防レベルでどれだけ展開できるかで被害規模が大きく変わってくる。避難所の管理・運営も大きな役割だ。
平常時の活動の成果が、結局は災害時にも生かされる。「自主防の一員であることをしっかり自覚し、ただ入っているだけでなく、活動に積極的にかかわるようにしたいわね」。伊豆美さんの言葉に皆がうなずいた。