「防災マップで家の外の安全はチェックした。次は家の中を見てみよう」。駿河さんの声で一家は室内を見渡してみた。
阪神大震災では約6400人の犠牲者の8割以上が、住んでいた家によって命を落とした。崩れた家につぶされたほか、家具も凶器になった。「まずはやっぱり家具対策かな」と駿河さん。
倒れないように固定することはもちろん重要だけど、その前に今の家の状態を知り、揺れたらどうなるかをイメージするところから始めたい。「居間にあるこのピアノはどうなるかしら」「29型のテレビも何メートルも飛んじゃうんだって!」「この背の高いタンスもきっと倒れるわ」。伊豆美さんたちは状況を頭に思い描いてみた。「きちっと対策をしなきゃってことがあらためて分かるね」
駿河さんたちは、まず家具の配置を見直すことにした。「出入りすることが少ない部屋に、できるだけまとめて家具を置くようにしたら」と遠州君が口を開けば、「寝室には倒れやすい大きなタンスとかは置かないことだね。うちのタンスも動かしておこう」と駿河さん。玄関や廊下に家具があると、倒れて逃げ道がふさがれる恐れが強い。「重い物が上から降ってくると怖いね。高いところにテレビとか重い物を置かないことも大切じゃないかしら」と富士子ちゃんもピンと来た。ガラスから離して置くのも安全確保につながる。
想像力を働かせれば、危険の芽は摘める。「今度の日曜には実際に家具の固定もやってみよう。物が暴れない家になるよう、日ごろから注意していきたいね」。一家の合言葉がまた増えた。