「ぼくたちの住んでいる地域って、安全なのかなあ」。夕食を終えたひととき、遠州君が何気なくつぶやいた。「確かに気になる問題だね。そのために今度『わが家の防災マップ』というものを作ってみないかい」と駿河さん。
防災マップ作りは、自宅とその周辺の状況を自分たちの視点で確かめるのに役立つ。海の近くなら津波の浸水、山のそばならがけ崩れなどの恐れがないか、などをまず確認。地盤の良しあしなどもこの機会に知っておきたい事柄だ。
日曜日、一家そろって散歩を兼ねて近所を回ってみた。「うちの避難所は中央公園だね。ルートを確かめよう」。たばこ屋さんの脇の細い路地が近道。「でも、古いブロック塀が続いているね。倒れて危ないかもしれない」
注意してみると、街の中にはいろいろと危険が潜んでいる。「このお店の看板、落ちてくるかも」と富士子ちゃんが指させば、「この通り沿いは古い家が多いわね。地震の時はちょっと怖いわ」と伊豆美さん。駿河さんも「自動販売機も、固定がしっかりしていないと、危ないよ」とチェックの目を光らせた。
「困ったときに頼れるものの場所も覚えておきたいね」。病院や交番、消防署、公衆電話、防火水槽、消火栓などなど。自主防災組織の資機材倉庫などの場所も、意外に知らない人が多い。
これらを地図上に表示し、避難場所までのルートも、安全な道を使って複数決めておく。出来上がったマップを見て「自分たちの住んでいるところで地震の時にどんなことが起こりそうか、いざという時どうしたらいいか―がイメージできるような気がするね」と一家は納得の様子だった。