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減災への挑戦~緊急地震速報

【2】企業防災への“応用” ネット構築、情報共有

2007/09/26
 7月の新潟県中越沖地震。柏崎市にある自動車部品メーカー、リケンの主力工場が被災したことで、国内自動車メーカーは軒並み生産休止に追い込まれた。下請けの中小、零細企業が負ったダメージも大きかった。
 突然襲った震災は企業防災の在り方を見直すきっかけになった。緊急地震速報をどう被害軽減につなげるか、産業界でも試みが広がっている。
 愛知工業大地域防災研究センター(愛知県豊田市)は平成17年12月、尾張・三河地域のトヨタ関連の製造業や医療機関38事業所と「企業防災システム」と銘打ったネットワークを構築した。近い将来に発生が危惧(きぐ)されている東海地震と東南海地震に備え、自動車産業集積地の被害を最小限にとどめ、速やかな企業活動の再開につなげるのが狙い。
 システムでは、緊急地震速報を受けると、参加する各事業所の地盤データなどを基に揺れの程度を計算・予測し、瞬時に情報を発信する。事業所ごとに設置してある地震計のデータを集め、緊急地震速報の予測値と地震計の実測値を組み合わせて揺れの情報を配信していく取り組みも進んでいる。
 県内からは自動車部品製造のアスモ(湖西市)がネットワークに参加している。「火災につながる設備に有効」と同社防災担当者。従業員には騒音に包まれた工場内でも分かるように警報と信号灯で知らせ、退避を促す。さらに耳の不自由な従業員のために、強烈な光を放つストロボ装置の取り付けを検討するなど、危機管理に力を注いでいる。
 震度の数値次第で、各事業所は稼働停止を含めた判断を迫られる。ただ、生産ラインのストップは大きな損害に直結し、生産再開までに時間がかかることもある。緊急地震速報が稼働停止に踏み切る“サイン”になり得るかどうかは、情報の確度にかかってくる。
 同システムの開発を手掛ける愛知工業大の正木和明教授は「現段階では導入したがらない事業所も多い」と明かした上で、「止めるリスクと止めないリスクを瞬時に判断するには、精度の向上が不可欠。情報に信頼性がなければ現場での普及につながらない」と指摘している。本格運用で実績を積み上げられるかが鍵となりそうだ。

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企業防災システムの中枢装置。参加事業所に向けて、

瞬時に地震情報を発信する=愛知県豊田市の愛知

工業大地域防災研究センター



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