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阪神大震災では、犠牲者の約八割が建物や家具の倒壊による圧迫死だった。住宅の安全は地震から命を守る最優先の課題だ。日本建築防災協会の菊池志郎企画調査部長は「一九八一年以前に建てた家は耐震診断をした方がいい」と忠告する。千戸以上が全壊した七八年の宮城県沖地震を教訓に八一年、改正建築基準法が施行され、必要な壁の量を増やすなど耐震基準が強化されたからだ。
木造住宅の耐震診断は天井裏や床下からのぞき込んで壁の様子や柱と梁(はり)の接合金具の有無を調べる。コンクリート住宅では壁から試料を取り出す必要があるが、木造なら非破壊検査でかなりの診断が可能だ。
菊池部長は「ポイントは柱と柱を斜めに補強する『筋交い』。耐震性のほとんどがこれで決まる」と強調した。
阪神大震災後、耐震診断と改修を補助する自治体が増えた。静岡県は〇一年度から、専門家による無料耐震診断事業を開始。〇二年度には、都道府県レベルでは初となる老朽木造住宅の耐震改修費三十万円を補助する制度をスタートさせた。住宅の建て替えに伴う利子補給の支援も行っている。
耐震化への補助制度はこのほかにも、横浜市や愛知、長野県なども創設。国も密集市街地を対象としていた補助制度の拡充を決めるなど、取り組みが本格化している。
ただ、せっかくの制度も多くの自治体で利用が一向に増えないのが課題だ。和歌山県は九八年から支援制度を設けたが四年間で利用は二十七件。昨年九月に制度を始めた同県串本町も昨年度の利用はわずか二件だった。静岡県は昨年度までに専門家診断の利用が約二万一千件、改修費補助は二百五十四件の利用があった。
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