震源域の見直し、震度分布の予想など、地震像の洗い直しが進んできた東海地震。その成果を受けて、防災をどう展開するかの論議が本格化している。防災の日に当たり、東海地震をめぐるこの一年間の話題を振り返った。
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◆静かな活動
想定震源域周辺は目立った地震活動もなく、静かに推移している。昨年秋、御前崎先端の沈降に鈍化傾向が見られるとの報告が出されたが、その後の臨時測量などの結果、特に異常な状況ではないと判断された。
二〇〇一年から続いているとされる浜名湖周辺の微少な地殻変動異常(スロースリップ)は、当初に比べて変動量がやや小さくなったように見えるものの、依然継続中としている。
◆国も被害想定
政府・中央防災会議は、国として初めての東海地震の被害想定を三月に発表。県内の死者は最大八千八百人と予測し、県の第三次想定の約五千八百人を上回った。四月には東南海・南海地震の被害想定もまとめ、死者は最悪時二万人、県内は千五百人と予想している。
◆対策の確立も本格化
五月には、予防対策から発災後の応急対応までの一連の総合計画となる「東海地震対策大綱」を中央防災会議が策定。突発への備えも重視した防災体制の確立を打ち出した。
同時に、前兆をとらえた場合の対応の改善にも力を入れ、切迫度を三段階で示す「観測」「注意」「予知」の事前情報体系を決定(来年一月から運用)。各情報での具体的対応の検討が始まっている。
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■この1年の主な話題
2002・9・18 県教委が、警戒宣言時から始めるとしていた児童生徒の下校・引き渡しを、判定会招集時に前倒しする基本方針固める
10・25 国土地理院が御前崎の沈降鈍化の疑いを地震防災対策強化地域判定会の定例打ち合わせ会で報告。臨時測量などでの分析で、異常はないとの見解
2003・1・14 県地震防災センターがリニューアルオープン
3・18 中央防災会議が東海地震の被害想定を発表。県内の死者は最大8800人、22万棟が全壊
4・8 三ケ日町の歪計が異常示すが、東海地震との関連なしと気象庁が解説情報を発表
4・17 東南海・南海地震が同時発生した場合の被害想定を中央防災会議が発表。死者総数は最悪時約2万人、県内は1500人と予測
5・29 東海地震対策大綱を中央防災会議が発表。予防から警戒宣言時の対応、発災後の応急対策までを網羅した国としての初のマスタープラン
7・17 全国知事会が自然災害被災者の住宅再建に補助金を支給する支援制度案をまとめる。これを受けて内閣府も制度創設の方針固める
7・28 東海地震の前兆現象をとらえた場合の予知関連情報体系を改正。地震の切迫度に合わせて「観測情報」「注意情報」「予知情報(警戒宣言)」の3段階に。防災準備は注意情報から開始へ
(2003年09月01日朝刊掲載)