東海地震に備えて政府と静岡など九都県市は二十三日、大規模な図上防災訓練を初めて合同で行った。「注意情報」の新設など予知段階の事前情報が改正され、国と自治体の連携強化と広域対応を打ち出した新しい防災体制に今年から移行したことを受けての実施。関係機関相互の連絡調整や、必要な対策の立案・決定が円滑に行えるかどうかを主眼に関係者が検証した。
三回目となる県の大規模図上訓練「地震対策オペレーション2004」は二十三日、県庁を拠点に市町村や自衛隊、県警などを含め約三千五百人が参加して行われた。過去二回は突発想定だったが、今回は初めて予知を前提にシナリオを設定した。
午前七時、注意情報の発表を受けて、防災局では国との連絡窓口を設け、県側の態勢や実施した準備行動などを逐次伝えた。併せて「防災ヘリや防災船の運航状況の確認」「防災拠点ヘリポートの確保を市町村に指示」「物資調達可能量の調査」など、注意情報から警戒宣言の各段階で必要な準備行動について各部局がイメージトレーニングし、認識の共有を図った。
午後一時半、マグニチュード(M)8の東海地震が発生したとして、発災後対応の訓練に移行。市町村などから集まる被害情報と救援要請を基に、災害対策本部で具体的な対策の立案作業を進めた。国との間では、物資の緊急調達や重症患者の受け入れ病院確保を要請したり、広域応援部隊が進入するルートの状況などの情報を提供したりと、実際を想定してのやりとりを進め、連携の手順などを確認した。
静岡以外の強化地域八都県市も国との連絡などの訓練に取り組んだ。
内閣府に演習会場 14機関参加
政府は二十三日、内閣府講堂に演習会場を設け、防衛庁、国土交通省など十四機関から百七十三人が参加して図上訓練を行った。大規模自然災害に対応した図上訓練は四回目だが、東海地震の強化地域八都県との合同訓練は初めて。気象庁の観測データや被災情報などに対応した的確な意思決定と、省庁間のスムーズな連携が取れるかどうかを主なテーマにした。
被災情報の一報が入る「情報統括班」を核に、「救助救急消火」「広域医療」「航空運用調整」「緊急交通」「物資調達」の五班を設置。参加者は事前に発災の想定は知らされず、「航空機による偵察で富士市内の東名高速の路面に亀裂発見」などと被災状況を記した「条件付与カード」が次々に示されると、各班のスタッフは必要な対応を判断し、関係機関へ指示を出した。
訓練は目立った混乱はなく進んだが、東海地震応急対策活動要領で新たに、現地情報の集約、発信拠点として本県への設置が決まった「現地本部」は実際には設けないなど、一部の課題は積み残した。
(2004年01月23日朝刊掲載)