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東海地震は今 耐震

〔7〕窓口や講座を充実

2004/06/12
 伊東市がこれまで防災フェアで開催した「わが家の専門家診断」相談会は空振りに終わった。本年度は、はやりのリフォーム相談会で対応したが耐震化相談はゼロ。群発地震の経験から住宅耐震化は先進地かと思いきや「別荘などもあり、診断の要る対象住宅は多い」と市は苦慮している。
 榛原郡本川根町が平成十三年度に開いた住宅耐震一日相談会も閑古鳥が鳴いた。耐震補強工事もまだない。「被害を受けてから直せばいい」という町民の声が印象的だ。


 住民の意識の壁にはどの自治体も困惑する。それでも対策に挑む行政の意欲の差が、次第に成果に表れ始めている。
 既存制度の枠内で対応する自治体のうち、進ちょく率上位の志太郡大井川町は十三、十四年度、全地区で土日の半日相談会を開いて、その都度十人以上の相談者を迎えた。十五年度には小学校で耐震勉強会を開き、地元大工が模型で耐震化の効力を伝えた。既に十三戸が補強工事へ進んだ。「子どもの口コミは家庭で効く」と町は、本年度も事業を続けることにした。
 地盤が悪く津波の恐れもある焼津市は、建築住宅課にTOUKAI―ゼロ対策の専属職員二人を置く。十四年度半ばから地元建築士会と耐震診断を促進する日曜日の戸別訪問を始め、診断済みの千五百戸に働き掛けた結果、翌年度までに約八十戸が補強に踏み切った。
 市の調査では、専門家診断で三割余が補強計画を考えたが、▽相談先や耐震補強のプロセスが不明▽費用負担がわずらわしい▽耐震補強技術に不信感―などが決断しにくい主な理由と分かった。


 静岡市は最も周知度の高い広報紙で年四回耐震診断をPR。建築士会に委嘱した防災アシスタントらが対象住宅の八割を戸別訪問済みだ。耐震対策の出前講座は前年度二十五回開き、本年度からは建築指導課に防災アシスタントを経験した女性臨時職員二人を配置し相談窓口を常設した。
 「耐震診断で家の欠点を知ったからといって生活費を工事費には回せない、借り入れしても返すあてがない」
 圧倒的に多いそんな声を背に、職員は日々、良心的な窓口業務に心を砕く。助成制度などの柔軟な工夫と行政の意欲で、耐震化の進ちょく率はまだ上がりそうにみえる。(「東海地震は今」取材班)

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本年度から静岡市が開設した住宅耐震の相談窓口
=静岡市静岡総合事務所



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