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東海地震は今 耐震

〔11〕新工法 「安くて短期」人気

2004/06/17
 「ここがエネルギーを吸収して揺れを低減する」。焼津市西小川の建築士望月貞治さん(65)が自宅の外壁を指さした。筒状の制震装置が、梁(はり)と土台それぞれに固定した二枚の合板を結んでいる。本来は壁の内側に隠れてしまうが、望月さんは透明パネルで覆うだけにして、自宅の耐震補強を「展示」している。
 耐震化が進まない要因の一つに、補強工事が長期間にわたり、費用も高額になる傾向にあることが挙げられる。そんな中、比較的安価で、施工も短期間で済む新工法が注目を集めている。
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 県のホームページ「耐震ナビ」には、各企業が登録した新工法が並ぶ。建物の外側に耐震柱を立てる工法、鋼製の耐力壁を取り付ける工法、建物の一部屋を鉄骨で覆いシェルター状にする工法など、多種多様。工費や工期もまちまちだが、人気の中心は望月さんが自宅に施工したような「安・短」が特徴の工法だ。
 焼津市の平成十五年度の補強工事実績をみると、従来の工法による施工は十七件。一方、新工法は倍の三十三件に上った。住民の意向や家の状態によって工法を使い分けている望月さんは「短い工期や安さを第一に求める人が多い。要求に応えるため、新工法を採用するケースが増える」と指摘する。
 望月さんに自宅の耐震補強計画の作成を申し込んだ同市内の男性(64)は「新しい工法で工期が短くなると聞いて、工事を決心した。何カ月もかかるなら、踏み切らなかった」と振り返る。工費は約百三十万円。工事は一週間で終わった。
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 ただ、焼津市内で新工法を扱う大工は、現状では限られている。市の担当者は「本音を言えば、できるだけ従来の工法でやってもらいたい」と漏らす。補強工事の発注が一部に偏り、業界全体の活性化につながらない、と懸念するためだ。同市建築大工業組合の飯塚金次組合長(55)は「どの工法が良いとか悪いとかは一概に言えないが」と口ごもる。
 家の状態によって、従来の工法で施工した方が安く上がるケースもある。藤枝市小石川町の建築士木口芳郎さん(57)は「建築士や大工が工法についても住民によく説明して、十分に納得してもらうことが最も重要」と強調する。(「東海地震は今」取材班)

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建築士の望月さんが自宅に施工した新工法の耐震補強

=焼津市西小川



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