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東海地震は今 耐震

 〔12〕新制度 自助努力にケアを

2004/06/18

 狭い路地を挟んで老朽化した共同住宅がひしめき合う。「木賃ベルト地帯」ともいわれる木造賃貸アパートの密集地域を形成する東京都中野区。地震で建物が倒れ、火災が起きれば被害は一気に拡大する。「真っ先に手を付けるべき対策は耐震補強」という田中大輔区長の危機感を映して、同区は先駆的な耐震化支援制度を近く導入する。
 区が認定するレベルまで耐震補強した古い木造アパートが、十年以内に震度6強までの地震で全壊したら、区が補強費用と同額を所有者に支払う―という制度だ。「まず、自らの費用で耐震化してもらう。補強費分を保証することで、その動機付けにする」と田中区長。基本はあくまで自助努力に置く。

 


 多くの自治体が補強費用への直接助成を進めているが、県内をはじめどの自治体でも利用は低調。利用が増えれば財政を圧迫するという自己矛盾も抱え、「政策として成り立つかどうか」と田中区長は補助金制度に懐疑的な考えを示す。
 事後の公的支援を打ち出すことで耐震化を促そうという中野区の“逆転の発想”を従来から提唱しているのは、東京大学生産技術研究所の目黒公郎助教授(都市震災軽減工学)。耐震化や再建支援など住宅対策への公費投入に是非論がある中、目黒氏は公費を使う意義を認めた上で、投入を真に有効にするために、「努力した人にきちんとケアをする」という視点が重要だと指摘する。
 現状の「補助金を払って後はやりっぱなし」のシステムは、悪質業者が介入しやすい環境を許している。「事後支援の保証で、補強した建物を継続的に品質管理する仕組みが求められる。これを地元の民間業者に任せれば、責任ある地域ビジネスになりうる」。耐震化をためらわせる要因となっている補強効果の不透明感の払しょくにもつながり、補助金も「事後保証の制度と組み合わせれば、効果は変わってくるはず」と数々の意義を強調する。



 中野区は高齢者向けに、土地を担保に耐震化費用を融資するリバース・モーゲージ型の支援制度も創設する。県の防災担当者は「(事後支援制度を)いよいよ導入する自治体が出てきた、という印象」と話し、一石を投じるかどうかを注目している。(「東海地震は今」取材班)


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路地を挟んでびっしりと連なる老朽アパート。

自助努力を促す支援制度で耐震化を目指す

=東京都中野区南台



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