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富士常葉大 防災ゼミナール

⑥災害に強い都市づくり 地域危険度の把握を

2004/08/10
 都市にはさまざまな施設がある。住宅やオフィスなどの建築物もあれば、道路や公園もある。水道・電気・ガスといったライフラインといわれる施設も網の目のように造られており、さらに鉄道や港、空港などもある。そのような施設の集合体で都市はできている。
 災害に強い都市をつくるには、それぞれの施設を地震に強く造ることは基本的なことではあるが、それだけでは十分ではない。例えば同じ建物であっても、地盤の悪いところの建物や急傾斜地近くに建てられている建物では被害は異なってくる。また木造建物が密集している地域ではどこかで発生した火災が延焼してくることもあり、さらにその地域の道路が狭い場合には消防車が入れないために消火活動ができないことも起きる。すなわち面的な広がりを持つ都市では地域の状況によって被害の様相が異なってくる。
 そのため都市の災害に対する強さを把握するためには、被害の量的な把握を行う地震被害想定より、地域ごとの危険性を比較する地域危険度の把握が望ましい。東京都では東京都震災予防条例(現・東京都震災対策条例)に基づいて、昭和五十年十一月以来五年おきに地震に関する地域危険度測定調査を行っている。都内の五千七十三町丁目について、各地域における地震に対する危険性を建物、火災、避難の面から1から5までランクで相対的に評価し、地域の地震に対する危険度を示している。さらに総合危険度として「建物倒壊危険度」「火災危険度」「避難危険度」の三つの危険度の和を5ランクにランク分けして示している。これを見ると総合危険度の高い地域は、東京都区部の城南と城北方面及び下町地区に点在していることが分かる。
 これらの危険性を改善する方策としては、それぞれの施設の耐震、耐火を図ると同時に、その地域の利用の仕方を考えていくことが必要となる。それらは例えば、建物の倒壊危険の高い地域での建物の耐震化、火災の延焼危険の高い地域での建物の不燃化を進めること、また災害時の消防活動を確保するために地域の狭い道路を拡幅したり、避難場所を確保するための公園を整備したり、緑地を保全するといった都市計画上の規制や事業などである。このように都市構造を災害に対して強くする視点から都市の防災対策を進めることを防災都市計画という。
 (小川雄二郎・環境防災学部教授)

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