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富士常葉大 防災ゼミナール

⑬災害ごみ 突然、多量に発生

2004/10/04
 今年は大型で強力な台風が次々に日本に襲来し、集中豪雨や強風で被害が続出した。新潟県三条市を例に、災害ごみの状況や後始末、対策についてまとめてみよう。
 七月十三日、新潟県中越地方を襲った集中豪雨は、三条市を直撃し、市内を流れる五十嵐川の通常水位(六・五メートル)が一一・二メートルにまで増大し、百十五メートルにわたり堤防が決壊。市内は洪水にのみ込まれた。被害を受けた住宅は一万五十二棟(半壊、床上・床下浸水など)に上った。水浸しになった家財道具、家電製品、使えなくなった布団、衣類、泥で汚れた畳など、被害を受けなければ日常ではごみにならないものが、災害を受けたためにごみになってしまう。これが災害ごみである。三条市の災害ごみは五万二千トンと推定されている。
 これは人口八万四千四百四十七人の三条市における一年間のごみ処理量二万六千二百五十五トンの二倍に相当する。一晩で二年間分のごみが発生したことになる。ちなみに、阪神大震災では十秒間に十年分のごみが発生した。三条市はごみ撤去費用として緊急に八億二千万円を予算化した。復旧作業はライフラインの確保のため、まず幹線道路の災害ごみの撤去から始まる。水が退いた十六日から二十四時間体制で、道路の災害ごみの撤去作業を開始し、住宅街の災害ごみの回収が本格化したのは二十五日からであった。静岡でも昭和四十九年の七夕豪雨により被害があった。記憶に残る人も多いだろう。
 三条市の収集体制では間に合わないので、近隣市町村からも消防団員や、他県の市町村からも支援隊が駆けつけた。仮置き場に積み上げられた五万トンの災害ごみは、重機を使って可燃ごみ、リサイクルごみ、埋め立てごみに分別されている。リサイクルできるものは、できるだけリサイクルへ回すことが国からも指示されており、家電製品のフロンを抜く作業も行われている。
 災害ごみの被害を最小にとどめるには、日ごろから危機管理意識を育てることが大切である。地域のどこで災害が起きやすいかを、地域の人々が知ることが最重要となる。それと共に、災害時の緊急避難場所や、遊水地が整備されているように、災害ごみの置き場をあらかじめ防災予防システムの中に組み込むことが必要だという声が強い。
 災害ごみは予期せぬ自然の変化で突然、しかも多量に発生し、多額の処理費がかかるのが特徴である。災害は、誰も起きることを望んでいない。が、起きたときには日ごろの近所同士のお付き合いが力になる。人と人とのつながりが災害予防の基本である。
 (松田美夜子・環境防災学部助教授)

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豪雨の後、路上に出された大量のごみ。

本県からのボランティアも撤去に活躍した=新潟県三条市内



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