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富士常葉大 防災ゼミナール

⑮リモートセンシング 地震予知利用に期待

2004/10/18
 リモートセンシングとは地球観測衛星に観測装置を載せ、宇宙から地表を観測する技術である。観測データはコンピューターで処理されて映像化される。同一地域を広範囲に細かく観測できる特徴があり、環境の研究などには不可欠の技術となっている。人工衛星による観測は、軌道高度が高く気象の影響を受けないため、長期間安定した観測が可能である。また、雲があっても地表を観測できる装置もあり、リモートセンシング技術は水害による被害地域、山林火災、火山噴火による噴煙被害の影響地域、タンカーからの原油流出事故など、種々の自然災害や事故の影響評価にも威力を発揮している。
 日本の地球資源衛星「ふよう1号」には合成開口レーダ(SAR)という観測機が搭載されている。これはマイクロ波を地表にあて、反射してくる電波を受信して画像化する。衛星は四十四日ごとに同一軌道から地表を観測するが、このとき同一軌道であっても種々の原因によって軌道が微妙にずれ、得られる画像も微妙に変化する。このような画像を二枚重ね合わせると、両者の撮影対象にズレがある場合には特有の縞(しま)模様が生じる。このような技術をインターフェロメトリィという。
 一九九五年一月十七日に発生した阪神・淡路大震災はまだ記憶に新しいが、この未曾有(みぞう)の大震災の原因は野島断層が右横ずれを起こしたためといわれている。図は宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)、(財)リモート・センシング技術センターのホームページより引用した、阪神・淡路大震災前(九二年九月
九日)後(九五年二月六日)の淡路島北部観測画像でインターフェロメトリィを行った結果である。画像中の縞は地形の変化量を表しており、地形の高低を補正した後の縞の間隔は一一・七センチといわれている。縞の本数から野島断層の変化量が観測でき、最大百四十センチ程度であることが判明した。この値は現地調査の結果とよく一致することがわかっている。
 リモートセンシングは火災状況など震災後の災害監視にも利用されているが、この技術を地震予知に利用できないものであろうか。残念ながら、現在のところ良好な成果は得られていないが、フランスは地震予知のための人工衛星「DEMETER」の打ち上げ計画を発表した(二〇〇四年六月二十五日)。これは地震の前に発生する電磁気異常を観測しようとするものである。日本の学会の反応は冷たいようだが、筆者としては大いに期待している。
 (村上篤司・環境防災学部助教授)

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阪神・淡路大震災前後の淡路島北部観測画像でイン
ターフェロメトリィを行った結果(宇宙航空研究開発機構、
リモート・センシング技術センターのホームページより引用)



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