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大震災10年「阪神」から「東海」へ

(4)住宅再建支援 耐震化促進の戦略性を

2005/01/15
 全半壊24万棟。阪神・淡路大震災は、「住まいの復興はどうあるべきか」という問題を投げ掛けた。
 10年を迎えても議論は続いている。阪神を契機に被災者生活再建支援法が1998年に成立したが、住宅本体の建築への補助は見送られた。昨年の法改正で支援額が上がり、補助対象も広がったが、「私有財産に公費は出せない」という国の壁は厚く、住宅再建は依然対象から外れている。
 しかし被災地にとっては切実な問題だ。2000年の鳥取県西部地震、03年の宮城県連続地震で両県は「住宅再建は復興の基盤」「コミュニティーの崩壊が過疎化に拍車を掛ける」として、独自の支援に踏み切った。兵庫県は新年度、共済による再建制度の創設を計画している。
 当初から地方の先頭に立って、住宅再建支援を訴えてきた石川嘉延知事は「国の直接助成を柱にした新たな制度が必要」とあらためて強調。新潟県中越地震の発生もあって、被災者支援の充実を求める世論は高まりを見せている。
 阪神以後のこうした流れについて、震災軽減研究に取り組む目黒公郎東大生産技術研究所教授は、「われわれが今後直面する地震やその被害の全体像を、きちんと理解した上での制度設計になっていない」と、問題点を指摘する。
 東海地震だけでも最悪40万棟以上が全壊、東南海・南海地震も加われば、全壊は100万棟レベルに達する。まず耐震補強で被害規模を抑える努力が最重要と力説する目黒教授は、「自助(耐震化)を促し、共助と公助が自助を誘発する」との視点が欠かせないとして、耐震補強や新築・改築などで家の耐震性を確保した人に手厚く支援する仕組みを提唱する。
 揺れによる損壊以外をカバーする地震保険制度をつくれば「保険リスクは劇的に下がり、保険料が安くなり、給付水準も上げられる」。丈夫な家に有利な保険で、自助努力を促す発想だ。共済制度や行政の公助制度も、耐震性のある家を対象に組み立てる。「現行の制度では、努力しない人のために公の金が大幅に使われ、結果的に支援効果も上がらない」と、耐震化を前提にした制度設計を求める。国の支援充実や共済の意義を主張している室崎益輝消防研究所理事長も、「予防と救済を一体的に考えることが重要」と説く。
 被災者支援の枠組みづくりは、なお模索の途にある。単なる復興対策にとどまらず、将来の減災に結びつける戦略的な制度の構築。次の10年の大きな課題だ。
(「東海地震は今」取材班)

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新潟県中越地震で山古志村民のために建設された仮設住宅。
災害後の住まいの復興は今も深刻な課題だ=長岡市



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