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託す一票 県政の課題

知事選 託す一票 県政の課題 (3)静岡空港 黒字化へ需要開拓を

2009/06/21
 今月11日、中国上海市の中国東方航空本社を、退任を6日後に控えた石川嘉延知事が訪問した。富士山静岡空港開港を同社幹部に報告し、就航への感謝の意を伝える、知事として最後の外遊。和やかな会談だったが、世界同時不況や新型インフルエンザに話が及ぶと、張建中副社長が「週4便(の運航)は基本だが、当面は週2便程度の運航にならざるを得ない」と切り出した。石川知事は「県も需要開拓に努力したい」と約束した。
 国内線やソウル便は、開港後まずまずの利用状況なのに対し、上海便は新型インフルなどの影響をまともに受け、開港前から予約が低迷。同社が開港前に6月の運航便の一部欠航を決める事態になった。その後も思うように改善していないため、7、8月も一部を欠航する。
 静岡市の旅行会社幹部は「上海便はビジネス利用拡大が鍵だが、長く低迷すれば減便につながりかねない」と懸念する。
 就航路線の減便や撤退は、着陸料など空港の収入減に直結し、空港運営の収支に響く。県空港部によると、静岡空港は本年度、開港直後の混雑対策などで手厚く配置する人件費などを含み、運営経費は6億8000万円を見込む。逆に着陸料や土地使用料など収入は年間ベースで3億円ほど。現状で収支均衡は厳しい。
 年間の利用実績が目標搭乗率を下回った場合、県が運航支援金を支払う搭乗率保証を適用する日本航空の福岡便も、開港直後の実績は目標の70%付近で推移。利用が落ち込めば、財政負担につながる懸念がある。全国でも離島などを除く20余りの地方管理空港のうち、8割以上が施設の減価償却費を除いても赤字―との調査結果もある。
 こうした状況から、空港反対派の市民団体は「赤字垂れ流しで県財政を圧迫する」と批判。開港日に国内線を利用した搭乗客からも「県民として(空港の)赤字が心配」との感想が漏れた。
 ただ、県は平年度の空港運営経費は5億3000万円程度に落ち着くと試算。収入については開港後3年間軽減する国際線の着陸料が4年目から国内線の水準に戻り、さらに▽地元資本のフジドリームエアラインズが事業拡張を計画▽岡山、青森、福島空港など開港後5年で利用者が2倍前後に伸びた地方管理空港がある―などから、「十分に収入増が期待できる」とみる。岩崎俊一県空港部長は「最も重要なのは空港を県勢の発展につなげることだが、県民負担をできるだけ少なくするため、5年後の収支均衡を目指す」と強調する。
 一方で、県議会の空港議連副会長を務める浜井卓男議長は「波及効果の視点を欠いたまま、単純な収支だけで空港事業を評価すべきでない」と問題提起する。
 近年の経営環境の厳しさを背景に、航空会社が地方の不採算路線から撤退するケースが相次いでいるのも事実。新型インフルなどの影響がいつまで続くのかも未知数で、楽観はできない。利用者を増やして路線拡大や増便、空港収入の増につなげ、さらに利用者を増やす。そうした好循環を生むことができるかどうか、今後の取り組みにかかっている。

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エプロンに航空機が駐機する富士山静岡空港。県は運営の収支均衡を目指す(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)



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