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託す一票 県政の課題

知事選 託す一票 県政の課題 (6)完 問われる行革の進化 静岡型新公共経営

2009/06/24
 「良い選手が集まっても作戦が悪ければ勝つことはできない。業務棚卸表は行財政改革という戦いを進める上での“作戦”と考えてください」
 御前崎市役所で22日開かれた行革推進プロジェクト委員会議。本年度から行革に本腰を入れる同市は手法に「県が成功したシステムを入れるのが最も効率的」と、県の行政評価システム「静岡型新公共経営(NPM)」を選択した。
 同市の2007年度普通会計決算を見ると、財政力指数は1・48と高く、財政の弾力性を示す経常収支比率も66・7%と県市町平均83・6%を大きく下回り、“優良”自治体。にもかかわらず、「職員の行革に対する意識を高めなければ厳しい財政状況になる」と将来への危機感を抱く。県担当者を招いた会議に出席したメンバーの表情は真剣そのものだった。
 こういった行政評価の導入は全国の自治体に急速に広がる。県内の導入率は05年10月の34・1%に対し、09年度末には73%に伸びる見通し。「財政状況の悪化と住民ニーズの多様化が背景にあり、住民の満足度を高めつつ、事業を進めるには必要な手段」(県行政改革室)だからだ。
 県は全国に先駆けて行政評価を取り入れ、民間企業と同様に成果を重視する「経営」型のNPMを展開した。目的別に事業の計画から改善までの流れを評価する「業務棚卸表」を実践し、「ひとり1改革運動」を進めた。業務棚卸表を使った事業見直しで当初予算総額の削減は計322億円(04~09年度)に上る。08年度までのひとり1改革運動は10万件を超え、試算では08年度だけで事務経費節減29億円、経済効果107億円、11万時間節約-などがあったという。
 「県だけが成果を上げても空回りする。市町の取り組みが県全体の底上げには必要」。県は実績を基に市町に共同歩調の必要性を訴える。県の呼び掛けに市町も応じ、08年5月に設置した相談窓口には94件の問い合わせがあり、業務棚卸表を使った行政評価は22市町に広がりを見せる。
 伊東市は05年度からNPM手法を地域に合った形にして導入。07年度までに地方債残高を4億3000万円削減、実質収支率を0・4ポイント増の1・7%にするなど着実に成果を出している。佃弘巳市長は「きめ細かい事業のチェックが職員の意識向上に確実につながっている」と話す。
 「大きく時代が変わる中で都道府県が果たす役割は非常に大きい」。石川嘉延前知事は退任に当たり、県は直面する課題解決の手段を市町に示し、国には政策を提案していく-と今後の立場を予測した。
 行財政改革を進めるのは市町自身にほかならない。御前崎市の長島保総務部長は言う。「市町は手探り状態で進んでいる。県は羅針盤となってほしい」。県の行財政改革の取り組みは時代に対応した進化が必要。次のかじ取り役の手腕にかかっている。
 

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県職員から指導を受けながら業務棚卸表の作成に取り組む職員ら=御前崎市役所



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