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託す一票 東部、中部、西部の課題

託す一票 東部の課題(上)

2009/06/30
 県並みの権限や財源を持つ政令指定都市が相次いで誕生した中部、西部と比べ、東部は県の施策と直結する政策課題が数多く残る。7月5日に投開票の知事選を前に、進展しない東部の合併問題や沼津市の鉄道高架事業、観光振興の現状や問題点を取り上げ、各候補に考えを聞いた。

進まぬ合併 問われる知事の指導力 
 知事選候補が伊豆を遊説した23日、河津町役場。賀茂地区1市3町(下田市、河津、南伊豆、松崎町)の合併協議会最終会合は淡々と進んだ。合併協廃止の手続きを確認後、会長として奔走してきた石井直樹下田市長は、「なんとか新市を誕生させたかった」と結果を悔やんだ。
 合併の最終判断となる廃置分合議案を19日に否決し、合併協からの離脱も決議した松崎、南伊豆両町議会の代表が座るべき4つのいすは、この日もむなしく空いていた。
 賀茂地区合併への取り組みは、2002年5月に始まった。スタート時点で1市5町1村だった枠組みは、さまざまな形に変異したが、05年の旧西伊豆町と旧賀茂村の合併以外はすべて徒労に終わった。
 合併協委員だった経済人は嘆く。「松崎町はこれで2度、合併破たんの原因となった。八方ふさがりだ。仮に県が支援を続けてくれても次の合併は極めて困難だろう」
     ◇
 4月30日午後、三島市役所。沼津市の栗原裕康、三島市の小池政臣、函南町の芹沢伸行、清水町の山本博保の各首長がひっそりと顔をそろえた。
 政令市実現を目指した県東部5市4町の東部広域都市づくり研究会の解散から1年3カ月。「表向きなかったことになっている」という非公式会合ながら、4氏は東部広域合併の仕切り直しに向け「このままではいけない」との認識で一致したとされる。
 昨年11月就任した栗原市長は「東部の都市拠点づくりに3市3町(沼津、三島、裾野市、長泉、清水、函南町)合併は欠かせない」とトップ同士の協議を再開させようとしている。ただ、各市町の思惑の違いは大きく先行きは不透明だ。
     ◇
 県東部は中核市、さらには一気の政令市実現を目指す沼津、三島を中心とした枠組みと、過疎高齢化が進む賀茂地区の双方を抱える。賀茂1市3町の首長の1人はこう期待する。「東部はやはり三島、沼津が盟主。ここが1つになり、求心力を持てば伊豆全体の合併機運も高まるのでは」
 現在の合併特例法(合併新法)は来年3月で期限切れとなる。進まぬ東部の合併に向け、県は国が主導した「平成の大合併」終了後、何ができるのか。合併以外の取り組みをどうとらえるのか。新知事のかじ取りが問われる。


  合併新法の期限切れ後、電算システム経費助成など県独自で進めてきた合併支援策はどうしますか。進展しない合併に対し「知事勧告」のような県主導の手法を検討しますか。
  
海野徹候補
 県独自の合併支援策は、分権時代への対応に必要な体制作りの政策であり、国の政策にかかわらず維持することは当然です。ただし、地方分権の精神に従えば、自治体合併は住民の意志に基づくことが原則であり、知事勧告のように上から目線の官僚的な手法は時代に合わないものだと考えます。
 
川勝平太候補
 合併の目的の一つは厳しい財政下における効率的な行政運営の推進です。そのため電算システム等基盤整備の遅れは、その目的に反し、かつ住民サービスの低下を招く恐れがあることから円滑な行政運営の遂行上支援の必要があると考えます。合併後の自治体経営は、自立と自助努力を基本とします。知事勧告などによる強制ではなく、自主的な判断によって地域の将来像を描いていくべきと考えます。

平野定義候補 
  国による合併の押しつけは地方交付税を削減し、基礎自治体の運営を困難にさせたものである。特に伊豆半島の過疎・高齢化の著しい地域における合併は住民の生活をより困難にさせる。こうした合併はやめ、地方交付税を元に戻し、小さくても輝く自治体を県としても支援する。
 
坂本由紀子候補
 合併新法の期限切れ後の基礎自治体の在り方については、今後、国の地方分権改革の動向や道州制への対応などとともに、県内市町の合併に向けた取り組みの動きなどを踏まえて、県としての支援の内容等を検討していきたい。また、県として積極的に市町の連携を支援したいと考えるが「知事勧告」のようなやり方よりも地域の動向に即した取り組みを支えていくことが適当と考える。

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賀茂地区1市3町の合併協議会最終会合。合併協から離脱した松崎、南伊豆両町議会の代表は欠席した=河津町役場



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