凧作り「骨」に技の神髄 伊藤平三さん、安男さん(中区天神町)
職人の太い指がナイフを繊細に操る。年季の入った手つきで竹を薄く、軽く―。浜松まつりの凧(たこ)を作り続けて65年の伊藤平三さん(81)=浜松市中区天神町=は、おいの安男さん(55)と2人3脚で作業に励む。
2人は今年、浜松まつり用に半―十帖(じょう)の凧を60枚以上製作した。凧の命はなんといっても骨組みの竹。平三さんが厳選した「淡竹」を使い、1本の竹から凧1つ分の骨を取る。組み方にも工夫を重ね、平三さんは「凧が受ける風をいかに下側に“抜き”、揚がる凧に仕上げるかが腕の見せどころだ」と力を込める。
代々コンニャク店を営む伊藤家は、器用だった平三さんの祖父嘉七さんが同町のまつり用の凧作りも請け負い、父高吉さん、平三さんと技を受け継いできた。平三さんは家業こそ安男さんに譲ったが、竹選びや骨の微調整など凧作りの“肝”は今も一手に引き受ける。
一方、安男さんは凧作りと家業に加え、まつり本部役員も務め、「三足」のわらじ。時間がない中で平三さんの技を学び取ろうと奮闘中だ。
平三さんは「持てる技のすべてを伝えたい。手抜きなしで数をこなし、経験を積んでもらいたい」と期待を掛ける。「まだ未熟ですが、凧作りを受け継ぐ使命を感じています」と安男さん。
凧作りの伝統を“つなぐ”ために、2人の挑戦は続く。
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江戸時代から受け継がれてきた浜松まつりの伝統。市民たちが“つなぐ”まつりの姿を、3回にわたって紹介します。
※期間中の携帯サイトには凧揚げや御殿屋台引き回しの動画もアップします。