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富士山頂臨時支局

永久凍土の現況調査 静岡大・増沢教授

2008/08/30
 県は、富士山の自然環境を保全するとともに、世界文化遺産登録に向けて特徴的な環境を調査する「富士山自然環境基礎調査」を始めた。平成19年度からの5カ年事業で、高山極域環境研究会(代表・増沢武弘静岡大教授)に委託。山頂部の永久凍土や植性・土壌、ブナ林の現況を調べる。
 増沢教授が行う永久凍土の調査は標高2400メートルから山頂まで、標高差50メートル間隔に温度計を約100カ所に設置。地中温度(地下50センチ地点)を測定して永久凍土の分布範囲を推定し、過去の調査結果と比較する。
 26日から3日間にわたり、富士山測候所を拠点に、学生らとともに昨年度埋設した温度計を回収、1年間の地中温度の変化データを記録した。
 永久凍土が溶け出して水滴が落ちる大岩の周辺に設置した温度計は0・6度を示し、「8月末から9月半ばに地中温度が2度であれば、近くに永久凍土があると推定できる。0・6度であればもう永久凍土と言える」と掘り出した“冷たい土”を握りしめた。増沢教授は「永久凍土の位置が標高3200―3300メートルに上昇したと見られている。数値を分析することで現状が把握できる」と指摘する。
 また、13年度に設置した45センチ四方の永久方形区でコケ類などの植生変化も調査。山頂お鉢巡り道周辺では、前回と比べてコケの優先種の変化が見られ、増沢教授は「コケ類の密度が濃くなった。標高が低い場所で生息する種が山頂付近で増えている。平均気温が山頂でも上昇した証拠で、温暖化が影響した可能性がある」と分析する。
 県自然保護室は「山頂のコケの生態は南極と類似している。温暖化の影響なども考察でき、5年目に結果をまとめたい」と話している。

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富士山の火口周辺の永久凍土の現況を調査する静岡大の増沢教授(左)=富士山頂



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