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アッチョンブリケな日々

受験前日の“悪夢”

2009/06/15
 僕は沼津東高校を卒業しました。一応進学校だったんですが、僕は3年間勉強もせずに遊んでしまいました。そのくせ、大学受験は早稲田しか受けないという無謀極まりないことをし、案の定玉砕しました。浪人を決めた僕は、またもや予備校など申し込まずに遊んでいました。
 しかし、夏になって急に焦りだしました。このままじゃいけない! 自分がだめになる! そう思った僕は、それからは毎日家にこもって1日12時間ギッチリ猛勉強しました。死に物狂いでした。その甲斐あって、年が明けた頃には早稲田もギリギリですが受かるレベルにまで達していました。
 そしていよいよ受験シーズン。明治大学、青山学院が見事受かり、あとは本命早稲田を受けるのみになりました。受験前日、当時早稲田沿線に住んでいた相方藤田の家に泊まらせてもらいました。ゆっくり睡眠をとりたかった僕に、藤田は「桃太郎電鉄」をやろうと誘ってきました。「5年だけな」と言ったが最後、結局熱くなり50年もプレイしてしまいました。もう朝になっていました。ちょっとでも寝なきゃやばい! と、部屋を暗くし布団に入った僕に、今度は藤田は横から「なあ、ドッペルゲンガーって知ってる?」と話し掛けてきました。僕はドッペルゲンガーを知りませんでした。気になって眠れなくなった僕は「何それ?」と聞いてしまいました。「世の中には自分とまったく同じ人間がもう1人存在するんだ。それがドッペルゲンガーだ。そいつを見つけてしまうと、死んじゃうんだってさ」と藤田は言いました。僕は眠れなくなりました。
 結局試験に30分遅刻した揚げ句、休み時間などもドッペルゲンガーが怖くて顔を上げられませんでした。
 落ちたことは言うまでもありません。アーメン。

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「アッチョンブリケな日々」はお笑い芸人の大村朋宏さんが、静岡新聞の毎月第3月曜日夕刊の「情熱細胞」に連載しているコラムです。

◆プロフィール 大村朋宏(おおむら・ともひろ) 1998年に結成したお笑いコンビ「トータルテンボス」のボケ担当。2007年「第7回M-1グランプリ」準優勝の実力を持つ。沼津東高出身。33歳。
◆お知らせ トータルテンボス・大村さんへのメッセージは〒422―8670 静岡新聞社編集局「情熱細胞」係まで。Eメール(jonetsu@shizushin.com)やファクス<054(286)5944>でも受け付けています。

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