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アッチョンブリケな日々

富士山での淡い思い出

2008/01/21
 4年前に僕たちは富士山の頂上で漫才をして、「世界一高い所で漫才をした」というギネス申請を試みたことがあります。漫才は日本だけの文化です。日本一高い山の富士山の頂上で漫才をすれば、それはすなわち世界一高い所での漫才となります。
 僕たちはセンターマイクを背負い、富士山を登りました。しかし7時間も辛い思いをして登り切ったのに、頂上に着いたらあろうことか雷雨になったのです。しばらく様子をみたのですが、一向に天気は良くなる気配がないので、仕方なく雷雨の中で漫才をしました。後日撮ったビデオをチェックしてみますと、やはりとても満足できる記録ではありませんでした。雷雨のせいで声も聞き取りにくい上に、何より僕たちは漫才が全く似合わないネルシャツにニッカポッカという登山家の格好をしていたからです。僕は撮り直したくなりました。しかしあんなに辛い思いをした富士登山は2度としたくありませんでした。
 あきらめかけていた時、4万円払えばブルドーザーで頂上まで運んでくれる業者があるという情報を得ました。なんという人間の弱い部分につけ込んだ商売でしょうか。しかし僕たちはその業者のお世話になることにしました。行くからには今度は最初からビシッとスーツを着て行きました。ブルドーザーで頂上に運んでもらうと、頂上は今度は快晴でした。
 さっそくセンターマイクを立て漫才を始めますと、そこにちょうど外人さんの集団が登ってきました。そして僕たちを見るやいなや「カレラ スゴイヨ! スーツデ ノボッテキテルヨ! デモ マッタク スーツ ヨゴレテナイヨ! イッカイモ コロバナカッタンダネ! スゴイヨ!」と叫びました。さらに「デモ、イマハ スベッテルヨ!」と言いました。余計なお世話だ! 富士山での淡い思い出です。

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「アッチョンブリケな日々」はお笑い芸人の大村朋宏さんが、静岡新聞の毎月第3月曜日夕刊の「情熱細胞」に連載しているコラムです。

◆プロフィール 大村朋宏(おおむら・ともひろ) 1998年に結成したお笑いコンビ「トータルテンボス」のボケ担当。2006年「第6回M-1グランプリ」決勝5位の実力を持つ。沼津東高出身。32歳。
◆お知らせ トータルテンボス・大村さんへのメッセージは〒422―8670 静岡新聞社編集局「情熱細胞」係まで。Eメール(jonetsu@shizushin.com)やファクス<054(286)5944>でも受け付けています。

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