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2005夏高校野球

準決勝第2試合(富士宮北-常葉橘)の結果

2005/07/30

富士宮北―常葉橘 10回表富士宮北1死満塁、小林が

仲沢(右)から中前適時打を放つ。敵失も絡んで3点を奪い

試合を決める=草薙球場

▽準決勝(第2試合)
富士宮北 0001000003―4
常 葉 橘 0000001000―1(延長10回)
▽2塁打 渡辺章、栗山(常)
▽暴投 佐野雄(富)
▽ボーク 仲沢(常)
▽試合時間 2時間17分
 【評】見応えのある富士宮北・佐野雄、常葉橘・仲沢の両左腕の投手戦は延長10回の攻防の末、富士宮北が常葉橘を下した。
 1―1で迎えた延長10回、富士宮北は犠打を挟み2安打で一死1、3塁と攻め立てた。ここで常葉橘は満塁策を取る。しかし、富士宮北は代打小林が中前に運び、敵失も誘って一気に3点を勝ち越した。主戦佐野雄は再三得点圏に走者を背負いながらも、力のある直球とスライダーで最少失点にしのいだ。
 常葉橘は7回、敵失を足がかりに二死2塁とすると、舘岡の左前打で1時は試合を振り出しに戻した。しかし、8回一死3塁の好機を佐野雄の力投の前に、スリーバントスクイズを外され併殺でつぶすなど、あとひと押しができず、粘りの投球を展開した仲沢を援護できなかった。

 

佐野雄、左腕対決制す

 息をのむ投手戦だった。富士宮北の佐野雄と常葉橘の仲沢。屈指の左腕対決は互いに譲らず、1―1のまま終盤に突入した。炎天下と緊張の中、投球を続けてきた両投手は疲労もピークに達していた。「厳しい試合だったが粘って勝ってきたチーム。粘りでは負けないつもりだった」と佐野雄。最後は意地と意地のぶつかり合いだった。
 富士宮北は8回、一死3塁のピンチを迎えた。2球粘られてカウント2―1の6球目。2年生捕手の後藤康は「監督から外せというアイコンタクト」で1球外した。読み通り、スクイズを狙った打者のバットは空を切り、飛び出した三走も挟殺。併殺で最大のピンチをしのいだ。
 8回まで仲沢の前に2安打に沈んでいた打線。川原監督は「序盤はあのスピードボールに手も足も出ないと思っていた」。しかし、9回の一死満塁の好機は逃したものの、徐々に仲沢を捕らえ始めていた。延長10回一死満塁、代打小林が中前に弾き返し、敵失を誘う間に走者全員が本塁になだれ込んだ。
 4回に2者連続で四球を出した佐野雄はかなりバテていた。後藤康捕手も「力を抜くように言ったのだけれど、力を入れなきゃ届かないくらい疲れていた」と振り返った。しかし、勝利を信じて粘投を続け、走者を背負っても勝ち越しの本塁を踏ませなかった。
 決勝の相手はずっとチームの“壁”だった静清工。昨秋、今春ともコールド負けを喫し、佐野雄も「静清とやるために勝ち上がってきた」と執念を燃やしてきた。「雄大さんは春とは違う」と後藤康。生まれ変わった宮北が夏の決勝という最高の舞台で宿敵に挑む。
 
10回、小林が適時打
 ○…延長10回表、適時打を放ち、3塁上で飛び上がって喜びを表現する代打小林がいた。春まで背番号「7」を背負った男が意地を見せた瞬間だった。
 大会屈指の左腕同士の投げ合いとなった好カード。同点のまま迎えた延長10回一死満塁の好機に、「自分で男になってこい」と川原監督から送り出された。2回戦の浜松商戦以来、今大会2打席目となる小林は「頑張っている(佐野)雄大を楽にさせたかった」と打席へ向かった。
 直球にタイミングが合わず、狙いをカーブに切り替えた3球目。内角低めのカーブを振り抜いた。「打った瞬間にしんに当たったことが分かった」という一打は中前へ。敵失も絡んで走者一掃の3点を入れ、勝利をもぎ取った。
 売りの打撃が不調でレギュラーから外れたが、川原監督が「何とか復調のきっかけを作ってほしい」と願いを込めた打席だった。小林も「巡ってくるチャンスで結果を出すだけ」とその瞬間を待ち望んでいた。
 決勝の相手は秋、春と連続して1回戦で負けた静清工。小林は「今度は雪辱を果たし、絶対に打ちたい」と打倒静清工を誓った。
 
 
橘、痛いスクイズ失敗 絶好の勝ち越し機逸す
 常葉橘10回裏、最後の攻撃も3人で打ち取られた。昨年に続いて4強の壁を破れず、最後の打者となった4番片平主将は「あと1本が出なかった。先輩たちもここ(準決勝)で終わっているから、もっと上を目指していたが…」と唇をかんだ。
 ノーシードながら投打がかみ合い、強豪を撃破してきた。この試合も先制されたが、粘り強く富士宮北の主戦佐野雄を攻め立てた。仲沢も踏ん張り追加点を許さず、両エースの投げ合いとなった。「後半勝負」と踏んでいた小林監督の描いた通りの展開。7回に相手守備の乱れを突いて同点とし、「一気に流れが来たかと思った」(小林監督)が、後続は打ち取られた。8回一死3塁もスクイズを外されて、絶好の勝ち越し機を逸した。監督も「勝負どころだったが、佐野君は素晴らしかった」と言うしかなかった。
 仲沢も先手を取られたが、懸命の投球を続けた。しかし、春先に腰を痛めて6月中旬に復帰。「ここに来てスタミナが切れてしまった」とつぶやく。終盤に力尽きて6年ぶり2度目の決勝進出はならなかったが、「相手の方が上だった。100%投げ切り、悔いはない」と振り返った。

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